日本のメディアは完全に週刊文春の1強と言っても誰も異論はない。新聞、テレビ、全てのプライドの高い大手メディアが、『週刊文春によりますと…』と、後追い取材してくれるのは、文春の記者諸君はジャーナリストとしてこれ以上の快感はないだろう。

本来、日本を代表する保守派メディアとして論陣を張った
良いなあ、文春。若かったら絶対、フリーでいいから、契約記者でいいからやってみたいが、まあ、無理だろうな。
『週刊文春』は株式会社文藝春秋社が発行する。保守系メディアの代表格だ。この会社は入社自体、マスコミ界では最難関。われわれの時代は東大ばかりじゃないのか?と思うくらい偏った採用だった。
芥川賞の本家本元として書籍の出版、『文藝春秋』を中心とした月刊誌、今や看板となっている文春砲でお馴染みの週刊文春の発行がメインだ。
今や突出した編集支えるのは有能なフリーランスたち
メジャーな週刊誌はどことも同じようなシステムだと思うが、週刊文春の現場の記者には正社員が少ないという。もちろん社員ライターもいるにはいるが、大半がフリーランス。しかし編集長は社員記者の大御所だ。
この編集長のセンス、胆力が次々とスクープを連発させる原動力だろう。
スクープが取れない記者、面白い記事が書けない記者は原稿料が入らないからメシが食えない。いつ契約解除になるかも分からない。
だから皆んな必死で仕事をする。これはどこのフリーランスも同じだが、なぜか文春だけが群を抜いている。
ここが役所の発表ものだけ書いていたら高い給料が貰える大手マスコミの記者との一番の違い。ハングリー精神がハンパないのだ。

モリカケも桜も黒川も電通も、全て文春の独走だ
一連の安倍首相にかかるモリカケ、桜から財務局職員の自死に至る背景。きょう逮捕の河井克行案里夫妻の選挙違反。安倍首相補佐官と厚生官僚の公金不倫。黒川検事長の記者との賭け麻雀、電通ピンハネ問題…日本を揺るがす政治スキャンダルは全て文春がリードしている。
そして芸能ネタも直近の渡部建のヒルズトイレ不倫など、大小様々なスキャンダルを抜きまくってきた。

かつて田中角栄氏にとどめ刺したのは文藝春秋だった
かつてジャーナリストの立花隆が月刊文藝春秋に執筆した『田中角栄研究 その金脈と人脈』で、田中政権は終わりを告げた。

文藝春秋社は日本を代表する保守系ジャーナリズムだ。しかし日本の体制の安定を健全に維持するのを阻害する、権力者の不正や横暴には目を瞑ることはなかった。
新聞、テレビなど大手メディアの幹部らが軒並み安倍さんとメシを食うことで籠絡し、忖度報道が普通となっても、文春だけはどうもダメだったようだ。
まだまだ続く特ダネが楽しみだ。
もりもとなおき