元法務大臣の河井克行衆院議員(57)、案里参院議員(46)夫妻を公選法違反で捜査している広島地検と東京地検特捜部は、間もなく夫妻を公選法違反容疑(現金買収)で立件するが、夫妻からカネを受け取った者の立件はわずかになりそうだ。

本丸逮捕を最優先、カネ受け取った議員の検挙は一部に
これまでの調べで夫妻は100人に2550万円をばらまいたリストが見つかった。克行氏だけで2400万円にのぼるようだ。
もちろんほぼ全員から裏付けを進めているが、多くは夫妻を立件するために捜査協力者となりそうだ。
もちろん夫妻を公選法違反に問うために、多額の現金を受け取った県議ら何人かは同容疑で検挙するが、ごく一部だろう。
全員が県議、市議、首長のため全て立件できた場合、失職するが、一部となるのは議会の混乱を避ける意味もあるのではないだろうか。
当然、批判は覚悟だが検察としては"本丸"立件を最優先したのではないか。

安倍首相と河井あんり
"本丸"ありきの珍しいケースだった
公選法違反の現金買収事件は、警察的には末端の有権者に投票を依頼して現金を手渡す運動員は小柱。その小柱に投票と票の取りまとめを依頼するのは中柱。
さらに複数の中柱にまとまったカネを渡すのを大柱と言う。
警察はまず普通はカネを受け取った末端の有権者を検挙。次に誰に貰ったかを追及し、小柱を検挙。さらに中柱への伸ばしていくのが普通だ。
最後は大柱だが、これは後援会の大幹部や候補者本人のケースもあるが、今回は当初から大柱ありきの事件だった。

代議士自らカネばら撒いた異常さ。1.5億円の追及も
国会議員クラスで候補者本人や候補者の夫であるベテラン代議士が票の取りまとめを依頼し、中柱となる地方議員にカネをばら撒いたのは極めて異例。
夫妻の逮捕のあと、陣営への自民党本部からの1億5000万円は誰の指示で渡ったか。
なぜ他の候補者の10倍もの選挙資金が河井陣営だけに支出されたのか。検察の追及が注目される。
もりもとなおき