教授というより女性活動家だった上野さん
東京大学入学式の祝辞には感銘を受けた。挨拶に立ったのは名誉教授でフェミニストの社会学者の上野千鶴子さん(70)だ。
これだけでもびっくりした。
えっ⁈何を言うか分からない人というか、タブーのない人に大丈夫か⁈と。
独特のジェンダー論で、これまでも過激な発言は物議をかもしてきたからだ。
元京都大学全共闘の活動家。教授というよりずっと女性解放のために社会と闘ってきた活動家のイメージが強烈だ。
そして彼女の凄いところはマルクス主義系学者にありがちな万年助手や講師に甘んじることなく、東京大学教授まで勤め上げた。
辺野古でも発言し、ヘイトとも闘う
最近では沖縄の辺野古の埋め立てについても激しい口調で安倍首相を批判している(文言はちょっと字にできないが 汗)
以前など朝日新聞Beの『人生相談・悩みのるつぼ』で、男子中学生から"自分の性処理についてどうしたら良いか?"という相談には、
「熟女に『やらせて』と頼めばいい」
と回答したくらいだ。
最近はヘイトに対しても厳しい姿勢で、前面に立って闘っている。
恵まれた環境と能力を恵まれない人のために
さて入学式の祝辞だが、
まず昨年、社会問題にもなった医科大学の女性差別入試に触れ「社会にはあからさまな性差別が横行している。東大も残念ながら、例外ではない」と。
そして
頑張っても公正に報われない社会が待っている。頑張ったら報われると思えることが、恵まれた環境のおかげだったことを忘れないでほしい。
世の中には、頑張っても報われない人や頑張ろうにも頑張れない人、頑張りすぎて心と体を壊した人たちがいる。恵まれた環境と能力を、自分が勝ち抜くためだけに使わず、恵まれない人々を助けるために使ってほしい
と新入生に訴えた。
今の政治や社会の嫌な流れに忖度せず、上野千鶴子に祝辞を述べさせた東大の心意気に、少しホッとした。
もりもと なおき