徹底的に叩かれた日大とアメフト監督
弱いと見たら徹底的に叩くのが日本のメディアや世間だが、日大の2人はどうなるんだろうか。
極悪非道みたいに言われ、世間やマスコミからあれだけ叩かれたのに、日大・関西学院大学のアメフト試合における悪質タックル問題は、警視庁の捜査の結果、"選手が指示を勘違いしたもので、日大の監督、コーチとも関与していない"との結論が下された。
ケガをした関学の選手から被害届けが出たため、警視庁が捜査していた。
その結果、悪質タックルをした選手(20)はケガをさせる意図があったことを認めたため、傷害容疑で東京地検へ書類送検された。
しかし関学の選手にケガを負わす指示はしていなかったとして、内田正人監督、井上獎コーチについては、容疑の事実はないと判断。その旨を記した書類を送付する。
あの騒ぎと、日大、監督らに対する糾弾の声はなんだったのかということだ。
信じてくれないかもしれないが…と、内田監督
当時、内田監督は『信じてくれないかもしれないが、相手選手にケガさせろなどという指示はしていない』と、泣きそうな顔で、会見で答えていた。
しかしメディアも世間も誰もこの言葉を信じていなかった。
さらに大学当局も第三者委員会の報告を受け、2人を懲戒免職処分にしていた。大学も事実として認めた訳だ。
これに対し内田氏は日大に対し無効を求めて提訴しているが、この捜査結果が影響するかもしれない。
警視庁は試合ビデオも解析、科学的捜査を徹底
警視庁はこれまでの調べで、当時から監督、コーチに言われていた疑義、日大調査委員会や関東アメフト連盟の結論を主な部分で否定した。
警視庁は試合関係者や選手から話を聞いたのはもちろん、試合の録画を細かくチェック。2人の目の動きまで調べ、悪質なタックルを指示はしていないと、結論づけた。
井上コーチの相手を潰せとの指示は、思い切りいけという常套句と判断された。
私は警視庁の捜査はひじょうに科学的であり、合理性があると考える。
日大OBが多数、警視庁にいることをあげ、忖度捜査を指摘する声もあるが、警視庁が日大に配慮する理由はない。
しかし学生が監督、コーチの日頃の言動から、全てにおいて精神的支配を受けていたのは事実だ。
日本のアマチュアスポーツのこうした闇の部分を改めるきっかけになった事件であることは、間違いない。
もりもと なおき