一度でいいから生で見たい"なまはげ"
秋田県のなまはげを一度でいいから生で見てみたいと、実は子どもの頃からずっと思っていた。大学を秋田大学に行こうと考えたほどだったが、鉱山学部という、いかにも斜陽な名前の学部しかなかったから、やめた。
家の玄関を開けたらあの出で立ちのオヤジらが、中に飛び込んで来たら、私は大歓迎だ。
まだテレビが家に無い時代だから、おそらく『小学1年生』か、家で揃えていた『写真で見る日本』の秋田県版で見たんだと思う。以来、ずっとなまはげをナマで見てみたいと思っていた。
ユネスコがなまはげなどを世界無形文化遺産に
そのなまはげがユネスコが選ぶ世界無形文化遺産に選ばれた。
秋田県男鹿のなまはげだけではなく、国の重要無形文化財ばかり全国10カ所の同様の民俗文化財行事で『来訪神』として申請をしていた。もちろん、この中ではなまはげが一番、有名だ。
ところが雪でつくる横手のかまくらと並び、秋田県の代名詞くらい有名な、なまはげなのに、深刻な後継者不足とか。
本来、未婚男性が役割を担うのだが、最近は年配者らが代わりに担うケースも多く、衰退しつつあったという。
もちろん伝統的な民俗文化行事だが、いつからか観光化され、鬼の顔が極端にデフォルメされたり本来の"来訪神"とかけ離れたキャラクターになってしまっているとか。
これで伝統は受け継がれる
今回のユネスコの指定により、今後、無形文化遺産として、伝統が継承されるし、きちんと守っていけるのではないかと確信する。
突然、家に行くと幼児らが恐怖で泣き叫ぶ。『いい子になるから許してください』とか言いながらお母さんに抱きつく情景は、何とも言えません。
子どもたちがトラウマになるんじゃないかと、少し心配にはなるが、これが未来もずっと続くと考えると、本当に良かった。
もりもと なおき