思わず『こんなことありかい?』と思った。スウェーデンで開かれている卓球世界選手権女子。準決勝で日本と戦うのは"韓国か北朝鮮の勝った方"…のはずだったが、、、
大会途中の南北合同チーム
それが『南北はもう戦わない。だから合同チームで日本とやります』ーと。それもなんと前日に突然!親睦大会じゃない、世界選手権ですよ!
本来の韓国と北朝鮮チーム、ともにメダルを狙える強豪。1試合をパスしての準決勝進出ー。何故かこれを主催者の国際卓球連盟も認め、急遽、昨日の準決勝は日本は南北合同チームと戦わなければならないことに。
キャプテン石川の思い
さぞ複雑な思いでビッグゲームに臨んだであろう日本チームは、3ー0のストレート勝ちで決勝進出。良くやった!
しかし合同チームの北朝鮮選手に壮絶なマッチポイントの末、勝利した石川佳純は何度も泣いた。若いチームを引っ張るいつも冷静な石川佳純だ。テレビで観ていて痛いほど気持ちが理解できた。
完全なスポーツの政治利用だ
当然、つい先日の歴史的な南北首脳会談の熱と興奮覚めやらぬまま、急遽、決まったことなんだろう。両国が南北融和向け、真剣に突き進んでいるのがみてとれる。
しかしいつか南北が統一されても、今は2国は全く別の国家だ。スポーツが2つの国家や世界の大国の政治の渦に、簡単に巻き込まれていいはずがない。
平昌オリンピックの時の女子ホッケーの合同チームは、南北融和の序章として理解できた。
しかし今回はなんとも…
スポーツは公平なルールの上に成り立つからこそ神聖なんだ。そこへ政治が突然、介入し、大会の途中の運営そのものを変えるとか、絶対、あってはならないことだと考える。
米中ピンポン外交は友情から
その昔、米中国交回復を実現させるきっかけになったピンポン外交。これは国家の介入がない純粋なスポーツマン同士の友情が産み出したものだったと記憶している。
つまらない例えだが、もしサッカーワールドカップでベスト8にいたイタリア、ブラジルが両国の政治主導で突然合同チームを組み、準決勝でドイツと戦います〜なんてことになったら…
絶対にあり得ない。
アジアの平和に繋がる南北融和に期待するだけに、卓球の一件はかなり残念だった。
もりもと なおき