私が尊敬する心の師だった民族派団体、一水会元代表の鈴木邦男さんが亡くなった。
鈴木さんこそ真の国士であり愛国者だと思っていたし、自らの思考の指針としていた。
今、何とも言えない喪失感を感じている。

新右翼活動家としての独特の存在感だったが、左翼だの右翼だの鈴木邦男さんの前では特に意味はなかったと思う。
心情が通じれば左翼活動家はもちろん、反原発運動にも連帯の意を示した懐の深さ。
だから"右翼に敬遠され、左翼に好かれる不思議な愛国者"と言われた。
極左と極右がぐるっと一周したら隣り同士じゃないかと、私に気づかせてくれたのも鈴木さんだった。
愛国心は口に出すことじゃなく心で思うことだと。そして自主憲法は大事だが、自由のない憲法なら今の方がずっといいと、性急な改憲論議を戒めた。
盾の会、三島由紀夫先生と早稲田同窓の森田必勝氏の市ヶ谷駐屯地での自決に大きな衝撃を受けた。
そして当時新右翼と言われた『一水会』を結成、米国追従一辺倒の日本政府の米従属外交のあり方にモノ申してきた。

近年は「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」(のりこえねっと)共同代表としての活動が印象的だった。
ヘイトや差別を憎んだ。
作曲家坂本龍一さんら文化人や芸能人とも幅広くお付き合いし、多くの人に影響を与えた人生だった。
本当に残念だ。もう少しお元気でいて日本の行方に意見して欲しかった。
鈴木邦男…本物の日本男児の強さとカッコ良さを持っていた。
もりもとなおき