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しーさんと抜いた輪禍擬装殺人事件と血文字で伝えた犯人の名

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『しーさんと取材した"輪禍擬装殺人事件"と血文字で伝えた犯人の名前』

殺人やら強盗を強行事件というが、結構、得意分野だった。ちょっと勘を働かせれば特ダネを取りやすいし、日頃の警察官との付き合い、信頼関係が仕事に繋がるケースが多かった。

朝毎読の大新聞やNHK、民放が、単なる交通事故扱いしたり、転落事故扱いしたものを、私たちだけが朝刊で『殺人』の大見出しで完璧に抜いたことがあった。

まだ結婚前の日曜日、妻と旧三好郡池田町までドライブしたことがあった。


当地の池田支局には仲の良い2つ先輩のしーさんがいたので立ち寄ったが、谷底に乗用車が転落、愛人関係にある中年男性(死亡)と女子大生の2人が死傷する事故があったとのこと。
しーさんは『単なる交通事故だよ』と、落ち着いていた。

しかし支局前に池田警察署があったので窓から覗いたら、随分と警察車両が。見たらこの遠くの警察署に県警本部捜査一課の刑事もいるじゃないか。

交通事故で本部一課?と当然、思ったが、しーさんの支局が溜まり場らしく、朝毎読の記者3人が交通事故取材に来たついでに寄り、ワイワイ話しをして帰らない。
大新聞とはいえ田舎の駐在記者の馴れ合いぶりにかなりイラついたが、彼らが帰ったのを見越して直ぐに本部捜査一課へ電話を。

何と日曜日なのに一課長がいるし、刑事部長もいる。私は完全に"交通事故を装った殺人"と、ピンときたのでぶつけたら一課長は『もーさんとおんなじ考えやけど、まだクルマ引き上げてないから…』と。

しーさんには『輪禍を擬装した殺人や!交通事故ちゃうよ』と教え取材開始。
夜遅く、谷から引き上げて防水シートを被せたクルマの内部を、しーさんが見つからないよう懐中電灯で照らしたところ、何と天井に『血文字があるぞ!』と、興奮気味に。

瀕死の重傷を負った女子大生が意識朦朧とする中、『犯人は○○』と、自分の血で犯人の名前をしたためていたのだ。
当然、しーさんの超特ダネだ。他社が交通事故とした小さな記事の中、朝刊で『輪禍擬装殺人』『血文字で犯人の名前』との大見出しが躍った。
血文字はやはり大ニュース。各社夕刊で後追いし、読売は社会面トップだった。

一緒に取材した早稲田OBで、同い歳だけど2年先輩のしーさんこと四宮憲一さんはさる8月、持病の心臓病などのため、亡くなった。
スポーツの知識、造詣は全国区。楽しい話しをよくしてくれた愛すべき人だった。

余談だが、せっかくの日曜日のドライブデートだったが、婚約者(私の妻)はひとり寂しく汽車で池田から徳島へ帰った。
結婚前にダンナとなる男の仕事の厳しさを分かってもらえたようだった。
(事件のあった池田の街)

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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