病院たらい回し、保健所に繋がらない都市部の現実
東京では体調を崩し新型コロナウイルスに感染しているのではと不安になり、救急車で病院へ行こうとしても、受け付けを断られ10カ所も転々とした話しがいくつもあった。
もちろん先に保健所に相談の電話をしても、とうとう通じなかった話しも山ほどある。PCR検査以前の状態なのだ。

お相撲さんの死亡も医療崩壊進む都市部の悲劇
昨日、若いお相撲さんがコロナで亡くなったが、まさに病院に入れるまでに悪化していったようだ。
彼は4月4日発熱し、親方が保健所に電話するもつながらず。翌日から医療機関にお願いするも断られ、8日、救急車が医療機関を回りやっと夜、大学病院へ収容されたが急速に悪化し、さらに転院。
10日に初めてPCR検査ができたが、既にかなり重症化していた。
自宅待機のうちに急速に悪化し、自宅でひと知れず無念の死を遂げる人も急増している。
どれもこれも医療機関の多い都市部でも、コロナ対応をするところは限られ、いずれも飽和状態になっているための悲劇だ。

大変なことになっている
コロナに人手取られ一般疾患の対応の遅れも深刻に
またコロナ対応に人も時間も取られる結果、癌治療など重大な疾患の患者の治療、オペなどにも遅れが出るなど、深刻な事態になっている。
直ぐに入院措置が取られ、適切な処置をうけていたらどれだけのコロナ患者の命が救われたことかと思う。しかし都市部では事実上、医療崩壊に近い状態が起こっていた。
狭い日本だ。それでも47もの都道府県に分かれている。当然、東京や大阪のような大都市と地方の県では人口も人口密度も違う。
だから今回のような新型コロナウイルスの感染拡大は一般的には都市部が酷く、地方はそれほどでもない県もある。

地方都市が都市部の患者を受け入れるのは不可能なのか
批判を承知で言うなら何故余裕のある地方都市が、たらい回しにされている都市部の患者を受けることができないのだろうか。
都市部の医療崩壊にも歯止めをかける一助にもなると思う。そして疲弊し切っている医療従事者を少しは助けることにもなる。
緊急事態宣言により、都道府県をまたぐ移動の自粛が呼びかけられてきた。
解除されても当面は自粛を呼びかけていくようだ。
当然、都道府県境をまたぐということはウイルスを運ぶというリスクがある。一般的には当然、必要な措置だ。
しかしコロナ感染者については、例えば専用車でベッドに余裕のある他県の病院へ運ぶ。これもしてはならないことなのだろうか。
もちろん都市部に比べて医療機関のか細い地方都市でコロナ感染が拡大したら、さらに手の打ちようがないのは想像はつくが。
国を挙げてコロナと闘うはずだと思ったが…
政府は国を挙げて、国民が一致団結してコロナと闘うと言ってきた。
しかし医療に関しては都道府県単位のみでのコロナ対応を、私たちはなぜか当たり前のように見過ごしてきた。
『東京は、北海道は、大阪は感染者が多く大変だなあ』と、傍観者でもあった。
本当に同じ国民としてこれで良かったのだろうか。自分としては釈然としない思いがずっと残っている。
もりもと なおき