コロナ感染拡大を『東京問題』とした菅氏への小池知事の怒り
東京で新型コロナウイルスの感染が拡大していることに菅官房長官は『圧倒的に東京問題』と、語った。
東京を『諸悪の根源』と言ってさらに評判を落とした兵庫県の井戸知事とあまり変わらない発言だ。
いや、政府の中枢にいる人間の発言としては聞きづてならない。小池知事が頭にくるのは当然だろう。
そして小池知事の気の強さはさすがだ。東京の最近のPCR検査が増えていることをまず指摘。
その上でさらに収まらなかったのだろう。感染が拡大するこのタイミングで、政府が進めようとしているGo Toキャンペーンについても厳しく批判した。

感染拡大の現状とGo Toキャンペーン展開のとんでもない矛盾
まず小池知事は『逆に"Go Toキャンペーン"が始まろうとしている中、その辺の整合性を国としてどう取っていくのか』と、疑問を投げかける。
つまり感染拡大の中、人々が旅行で全国に拡散する、とんでもなく矛盾した政策の説明はつくのかということだ。

冷房、暖房を同時にする愚策だ!
そしてさらに『東京都としては体調不良の方は都外へお出かけにならないよう伝えているが、無症状の方も出ている中、どう仕切りをつけていくのか』と指摘。
国のこのキャンペーンは「冷房と暖房の両方をかけるようなこと」と強い不快感を示し『これはむしろ国の問題だ』と、菅官房長官にキツくやり返した。
政治家もこうしてキチンとやり返すのは大切だ。地方自治を預かる者として、例え政府中枢の官房長官だろうが何ら遠慮も忖度もいらない。するべきでもない。
コロナ拡散するだけとGo Toに反対の首長、次々と
実際、小池知事だけじゃなくこのキャンペーンは全国にコロナを拡散することになると心配する地方自治体の長は多い。
山形県吉村美栄子知事や中村時広愛媛県知事、吉村大阪府知事も次々と声を挙げ、強い懸念を表明している。
吉村知事は『今、やるべきではない。やるなら地域限定で』と、国土交通大臣に直接、伝えた。
どの地方も観光客誘致を図りたいのはやまやまだが、それ以上にコロナの拡散を怖がっている。地域の人々の命と健康が脅かされるからだ。

第二波爆発恐れる国民の声より業界優先なのか
そしてコロナの第二波が爆発することによりまたの生活の自粛で地方経済が崩壊することを、地域の人々は恐れているのだ。
その原因を1兆7千億円も使って政府がやってどうするんだ、ということなのだ。
本来、8月の予定を前倒ししたのは旅行業界の強い要望からという。
全国知事会が声を挙げるべきじゃないのか!
業界の声より先に自治体、ひいては国民の意向を聞くのがスジじゃないのかと、やはり腹が立ってくる。
もりもと なおき