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なぜ石破派は冷や飯覚悟でも一致団結し、総裁選を闘えるのか?

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拓郎も歌った『闘い続ける人の心は誰もが分からない』

好きな歌に吉田拓郎の『イメージの詩』がある。彼は広島からこの歌を引っさげて上京し、広島フォーク村の拓郎が一気に全国区となった。

高校生の時、ラジオの深夜放送でこの歌を聴き歌詞が心に染みた。この部分だ。

闘い続ける人の心を / 誰もが分かってるなら / 闘い続ける人の心は / あんなには燃えないだろう

'70安保闘争という時代背景もあった。闘うべき時は必ず自分が信じる矜恃のようなものがある。だから人に何を言われても多くが理解してくれなくても、自分の心が燃える闘いはあるのだーと、拓郎は詩にした。

菅圧勝でも降りない石破、岸田

三木武夫は20人台の派閥で三角大福の権力闘争に挑んだ

政治の世界なんてまさにそうだ。徳島出身で総理大臣までなった三木武夫は、わずか20人余りの弱小派閥を率い、三角大福の激しい権力闘争の真っ只中、自身の理想を実現するために一歩も引かずに戦った。

3度の自民党総裁選の内、国会議員投票の得票は2度は100票を超えたから、派閥の締め付けなど気にしない、三木の理想に共鳴した他派閥の議員も多数いたのだ。あの頃は。

負け承知の闘いは、政治家としての矜恃が無ければできない

安倍首相の突然の辞意表明に伴うポスト安倍の自民党総裁選が始まる。すでに岸田、石破両派以外と無所属の多数は全て菅官房長官への支持を表明したから、勝負はあった。

負け承知で戦っている岸田、石破にも、そして支える議員たちも矜恃がなければ無理だろう。

わずか19人でも足並み乱れず

石破派はわずか19人。20人の推薦人にも足らないが、中谷元元防衛大臣が推薦人を買って出た。前々回の総裁選以降、完全に安倍政権から干され、石破派からは大臣は出ていない。

良く知ってる議員はいるが例えば元厚生労働大臣の田村憲久氏。厚労行政に関しては、全国会議員の中でその手腕はトップと言われる。

加藤某じゃなく彼が厚労大臣ならコロナ対応も違ったものになっていたと思う。

石破を支える石破派の面々


一本釣りされてもブレなかった齋藤健の男気

齋藤健氏は元三井物産戦略研究所長で日本総研の寺島実郎さんの勉強会でご一緒した。元旧通産官僚。わずか3期目で安倍首相に一本釣りされ、農水大臣に抜擢された。

しかし前回の総裁選では安倍首相側近に相当な圧力を加えられても『私は石破派なので』と、当然、石破氏の推薦人となりスジを通した。

著書に『 転落の歴史に何を見るか: 奉天会戦からノモンハン事件へ』があるが名著だ。

後藤田はヤミ金のグレーゾーン撤廃でヤミ金業界と闘った

後藤田正純氏は自民党国会議員の中ではただひとり、SNSで今回の総裁選の在り方に大きな疑義を呈している。冷や飯覚悟といえばそれまでだが、相当な勇気がいることだ。

彼はサラ金苦、ヤミ金苦の末、多くの自殺者が出ていた頃、法定金利を超える高い金利(グレーゾーン)撤廃にわずか2期目ながら取り組み、実現させた。

結果、法外な高金利で消費者を苦しめた多くの中小サラ金が廃業を余儀なくされている。今だ過払いの金利については消費者への返還が続く。

私は別段、石破氏は好きでも嫌いでもないが、負け承知でも矜恃を通す生き方には共感する。

もりもとなおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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