運用せずにそっとしておいてくれ
われわれの年金積立金で財テクしてくれなんて誰も頼んでないのに、なんと公的年金を運用する『年金積立金管理運用独立行政法人』(GPIF)は、わずか3ヵ月で14兆8000億円もの運用損を出してしまったという。
この運用損は四半期では過去最大の赤字だ。
アベノミクスの有効性を示すために、過剰に株式投資をしているとの説もある。
確かに年金資産に占める株式の運用比率を高めていることで、株価下落の影響を受けやすくなっている。
だから米中貿易摩擦などによる世界的な株安で、国内外の株価が大幅に下落したのが、最大の運用損となった要因。
さらに外貨で運用している資産が目減りしたことも影響したようだ。
財テクの能力ないんじゃないのか⁈
赤字は3四半期ぶり。過去最大の運用赤字は、中国の景気減速の影響を受けた15年7〜9月期の7兆9000億円だったが、今回はなんと約2倍近くにも及んでいる。
こうした運用はだれが指揮を執ってるかは知らないが、しっかりしてくれよといいたい。
株式投資によりこの3ヵ月で、国内株式で7兆6556億円、外国株式で6兆8582億円の大幅な損失が出たことがあった。
やるな安全なものに戻してくれ
GPIFは14年10月、将来の年金の支払いに必要な資産の利回りを確保するためーとして、比較的安全だが利回りが低いとされる、国債中心の運用基準を見直し、株式の比率を50%に倍増させている。
利回りはマイナス9.06%。昨年12月末時点の資産総額は150兆6630億円となっている。
2001年に市場運用を開始して以降の利回りはプラス2.73%、累積収益額は56兆6745億円のプラスとなっている。
しかし3ヵ月で15兆円近く穴を開けるんだから、150兆円あっても失敗が続いたらすぐにパーだ。
株式投資への比率は下げ、安定商品の取り扱いに重点を置くべきだ。全部やりつけてしまい、年金終わりましたとなるのもあり得る。
もりもと なおき