このほど発表されたわが国の『防衛白書』は、中国を安全保障上の最大の『強い懸念』と位置付けたが、国民なら誰も異論はない。そして予想通りあの感じの悪い中国外務省の副報道官は、『これは白書ではなく黒い資料だ』と不快感をあらわにした。

尖閣諸島をあたかも自国領土のごとく
まあ、中国政府に褒められる防衛白書だったとした大変で、私のようにまだまだ表現は甘いと認識している人は多いのではないだろうか。
白書では中国が尖閣諸島を巡り、"力を背景とした一方的な現状変更の試みを執拗に継続している"としたが、要するにこういうことだ。
わが国固有の領土である尖閣諸島周辺に、長期にわたりしつこく軍事介入し、あたかも自国の領土のようにしているがいい加減にしろということだ。

接岸水域を3か月以上も中国海警局公船が
とにかくことしに入ってのしつこさは度が過ぎている。中国海警局の公船は、何と91日連続(7月13日時点)で尖閣諸島周辺の接続水域を航行しており最長の連続日数を更新している。

白書いうところの"現状変更の試みを執拗に"継続しているのだ。海警局とは中国人民武装警察部隊海警総隊の略称で、中国の海上法執行機関で、領海警備などを行う。
ここまで柔らかく表現している白書に対し『偏見と偽情報に満ち、中国の脅威をやたらとあおり立てている』と批判するのはともかくこの妄言はどうだ。
『中国は一貫して平和的な発展の道を歩み、防御的な安保政策を掲げている』というから、まともに相手にはできない。
米国国務長官も中国の南シナ海での動き牽制
そして米国のポンペオ国務長官がこのタイミングでナイスなことを発信した。
『世界は中国が海洋帝国として南シナ海を扱うことを認めない。米国は、国際法に基づく権利や義務と矛盾せず、海底資源に対する主権的権利を守るという点において東南アジアの同盟国やパートナーを支持する』
と。
とにかくウイグルや香港への目に余る弾圧を見るにつけ、尖閣諸島に関しても中国の動きはにはきちんと対応すべきだろう。
もりもと なおき