サッカーもプロ野球オープン戦も、選抜高校野球も大相撲まで、新型コロナウイルス感染が鎮静化するまで無観客試合、ゲームになってしまった。
東京オリンピックまで早くもそんなことが取り沙汰されている。

長嶋茂雄さんは無観客ならあの成績は残さなかった
スポーツと観客の関係は極めて深い。恐らく一流アスリートほど観客の数、声援は後押しになっているのは間違いない。
例えば燃える男・長嶋茂雄さんは、無観客試合ばかりだったらあれだけの活躍はしなかったと断言できる。
得点圏にランナーがいるほど打ったし、観客の声援が大きいビッグゲームほど好成績を残した。
天皇陛下が初めて野球観戦された天覧試合でホームランを打つのは、まさに長嶋茂雄なのだ。

選手が活躍できるのはファンの後押しあってこそ
だいたいプロスポーツ選手は必ず勝利インタビューで『ファンの皆さんの声援に後押ししていただきました』と、例外なく話す。
アスリートが観客に声援を要求する時もある。走り高跳び、棒高跳び、走り幅跳びなどでは、選手自らが手拍子を打ち、観客に要請するシーンは良く見かける。
選抜高校野球が無観客はかわいそうだ。晴れの甲子園。親やクラスメイトにはアルプススタンドから観てもいたかったはずだ。
思春期の高校生だ。女子の声援は何よりの力になる。恐らくホームランの数は例年より減るのではないだろうか。
本命馬は無観客の方が強いとの結果が⁈
実は今、競馬場も無観客だ。観客の声援は騎手はともかく、競争馬にはどんな影響を及ぼしているのか。1番人気の勝率に関してのデータには明らかに無観客の影響と思える結果が出ているようだ。
中山競馬場のケースだが、昨年1年間で『1番人気』の馬の勝率は3回に1回勝つくらいだった。ところが最近の無観客競馬では、例えば2月29日、3月1日の全72レースでは、1番人気の馬がほぼ半数の35レースで勝ったという。
全ての馬も同じ条件だから一概に説明は付かないが、やはり競馬場の静寂さが、実力馬の実力を引き出したのかもしれない。

入場収入あってのスポーツだから、このままでは厳しい
ところでスポーツは無観客でもゲームはできるが、入場料は全く取れないため今後の運営に予算面で大きく影響してくるだろう。
大相撲の場合、一場所無観客で行うと、10億円ほどの損害になるのではとみられている。
競馬の場合は馬券の売り上げに大きなダウンはなかったようだ。
とにかくいつまでも無観客では、スポーツの発展を著しく阻害するのは間違いない。
もりもと なおき