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オヤジの形見、パイロットとパーカーの万年筆の味わい

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使うほどに病みつきになる万年筆の書き味

万年筆が大好きだ。昔は中学の入学、進学祝とかに万年筆を贈ることが多かったが、もうそんな習慣はないようだ。でも春になると万年筆が頭に浮かぶ。

万年筆はペン先が命で、柔らかいか否かが大切だ。腕に力を入れなくても紙の上を滑るように走れば、いくら字を書いても疲れない。
ボールペンとは全く違う文字となるから不思議だ。

国産メーカーではパイロットやプラチナ、セーラー、外国製ではパーカー(米国)やモンブラン、ペリカン(ともにドイツ)やウォーターマン(フランス)などを使ってきたが、メーカーや値段じゃない。
手とペンとペン先が一体化するようなしっくり感を大切に選んできた。

モンブランの味わいはこのキャップの積雪模様

漢字やかなには日本製の万年筆が合っている

確かにペリカンなどの書き味の柔らかさは魅力だが、日本の文字にはやはり日本製が合っているように感じる。

今はパイロットの『カスタム74』というものを愛用している。20年ほど前、某クラブのNo.1だった女性に、当選祝いにもらったものだから思い出深い。

今使っているパイロットカスタム74

そして私の机の引き出しにはもう使っていないがパイロットとパーカーの2本の古びた万年筆がある。
実はともにオヤジの形見でパイロットのものはもう80年近く前に製造されたもの。パーカーも60年は経っている。

オヤジの形見でずっと持っているパイロットとパーカー

パイロット製はオヤジが旧制の高等工業時代、学徒動員で戦地に赴き、戦後戻ってから手に入れたもので、自分で名前のイニシャルが掘られている。

パーカーは貰い物らしく自身の壮年期、まさに働き盛りの時代に愛用していたと、生前聞いたことがある。

オヤジの形見のパイロットとパーカー万年筆

物に執着心のないオヤジがこの万年筆2本だけは捨てずに持っていて、私にくれたのが不思議で仕方がない。私が文章を書く仕事に就くのを予感していたのかもしれない。
若い時、この2本を使っていたが、親子で使い込んだペンの書き味は味わい深いものだった。

最近は皆んなボールペンでメモを取ったり、簡単な書類を書くぐらいだろうか。

年賀状もパソコンだから万年筆は使ったことが無い若者も多いようだが、身近に1本は持っているのもいい。

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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