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オレオレ詐欺に暴力団トップの使用者責任を初認定。意義深い判決だ

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ヤクザの親分が恐れる『使用者責任』

暴力団組長が最も恐れているのが、組員の犯行に対し『使用者責任』を問われることだ。
組長自らが組員に命じた犯罪であれば当然、同罪や教唆に問われ、結果、懲役はやむを得ない。
しかし親分が全く知らない間に若い衆が仕出かした犯罪の責任を負わされるのが使用者責任。

組織が大きくなればなるほど、名前も知らない組員の犯行で罪に問われるケースも出てくるわけだから、気が気ではない。

2008年の改正暴力団対策法で、抗争事件での巻き添えだけでなく、組員が暴力団の威力を利用した資金獲得活動で他人の生命や財産を侵害した場合も、組織の代表者に賠償責任を負わせられるようになったからだ。

あまりに組織がデカいと代表者にとってはますますその可能性が高まることになり、『これからは構成員を自分が把握できる範囲の少数精鋭の組織がベストだ』と、いう話を聞いたことがある。

特殊詐欺で水戸地裁が初の判断

殺人未遂や銃刀法違反という事案ならこの使用者責任は結構、やりやすいと思うが、いわゆるオレオレ詐欺でもついに、初めて認定された。
この判決は特殊詐欺を抑止する上で極めて有効な判決だったと考える。

水戸地裁

5月23日の判決。

指定暴力団住吉会系の組員らによる特殊詐欺の被害者が、住吉会の関功会長と福田晴瞭前会長に計約700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、水戸地裁は組員が住吉会の威力を利用して「受け子」を集め、詐欺グループを構成したと認定、会長らは暴力団対策法上の使用者責任を負うとの判断を示し、605万円の支払いを命じた。

オレオレ詐欺抑止に繋げなければならない

いわゆるオレオレ詐欺などの特殊詐欺は、ひじょうに組織が複雑。頂点には間違いなく暴力団がいるとにらんでも、末端の受け子か、受け子を集めたリーダーが捕まるくらい。
組織は残り、新たな受け子が犯罪を犯すということが繰り返されている。

そういう意味で実際に手を下していない組織のトップを有罪としたことは、大きなことだった。
全国の捜査関係者も意義深い判決だと、犯行抑止に繋がることを期待している。
受け子グループの関係暴力団組織さえ判明すれば、全国の警察はこの判決を背景に組織トップの摘発を進めるだろう。

もりもと なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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