前代未聞の汚職事件
まさに悪代官じゃないか。
『便宜図る代わりに息子宜しくな。しかしお主も悪よのう』
『いやいや局長さんこそ』
まあ、こんなもんだろ。ほかの文科省職員が『こんな古典的な汚職を…』と嘆いていたが、本当に昭和40〜50年代のストレートな増収賄事件となった。
事件は多額の助成金も出る文部科学省の私立大学研究ブランディング事業対象校に選定してもらう見返りに、自分の子を東京医科大学の入試で合格させてもらったとして、東京地検特捜部は4日、文科省科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)=東京都港区=を受託収賄容疑で逮捕したーというもの。
今後は便宜を図った大学の幹部も東京地検特捜部の取り調べを受けるもよう。残念だが息子も1日も早く退学を。親がやったこととはいえ、医師になる資格はもちろんない。
東京医科大学
加計学園も前年2大学が取得している制度。息子医大合格のため制度利用か?
東京医科大学は私立医大の中でも伝統校。昔から難関だった。ちなみに現在の偏差値は67。国立なら金沢大学医学部と同じだから相当、難しい。今年度は3535人が受験、合格は214人だった。この局長の息子に下駄をはかせたおかげで、1人不合格になったのは間違いない。
しかし当該事業の助成金獲得はそんな難しいものでもないと言われる。前年は加計学園から岡山理科大、千葉科学大の二校も選定されている。癌研究などで申請していた東京医科大学ほどの名門なら、汚い手を使わずとも正攻法でも充分、選定される可能性は高かったのではと、思われる。
むしろ息子を東京医科大学に入れるため佐野局長が立場を利用し、強引にこの制度をダシに使ったのではと、私は思う。
文科省と私立大学の癒着構造の酷さは昔から
文科省と全国の私立大学の関係はとにかく濃い。全国に600余ある私立大学の多数に国立大学OBや文科省OBが当たり前みたいに天下ってきた。文科省が大学にOB採用を依頼していたことが大きな問題になったが、当たり前のようにやってきたことだろう。
有名でない私立大学が文科省や国立大学OBを欲しがるのは、ネームバリューのほか、文科省OBを取り込むことで助成金での優遇を期待してきたのはバカでも分かる。
贈収賄事件は金銭、物品の授受、酒食のもてなしが一般的だが、点数を加算しての"子の合格"を賄賂と認定した。恐らくわが国の汚職事件では初のケースだと思う。女を抱かせたことが賄賂となったケースはある。
捜査の進展を待ちたい。
しかし検察庁も大阪特捜部が森友の処理の甘さで、信用は地に落ちているというか、誰も全く期待していないから、さぁ東京特捜部がどんな事件にするか、見ものではありますね。
もりもと なおき