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カラダの関係からネタを…毎日記者、半世紀前の大スクープの価値

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本来なら世紀の大スクープだった。でも国家機密を外務省の女性事務官をを使って手に入れた。それもその女性と『情を通じて…』と。


女性は夫がおり、記者も妻子がいたから、今でいうW不倫だった。
週刊誌的スキャンダラスな話しに置き換えられ、この女性事務官と毎日新聞西山太吉記者は東京地検特捜部に逮捕されてしまったのだ。

情を通じて…。検察らしいなんとも古臭い言い回しだが、要するに肉体関係を持ったと言うこと。
最初は女性は酒を飲まされ泥酔状態だったという。2回目も言葉巧みにホテルに誘われた。

世間もライバルメディアも捜査当局も、西山さんがネタを取るために女を誘惑し、肉体関係を持つことで機密書類を盗み出させたと、取材手口をやり玉にあげたのだ。

スクープの内容こそ日本を揺るがすものだったのに、記者の倫理感の問題に摺り替えられた。

私はこの事件の3年後、通信社の政治部でアルバイトをすることになるが、大新聞や通信社の血気盛んな記者たちを見ると、多くが西山記者になる可能性を持っているなと、感じた。

大スクープなら、どんな手段を使っても、例え逮捕されてもへっちゃらの連中は、まだ当時はゴロゴロしていたものだ。
私も間違いなく心情的にはその範疇の記者だったから、良く分かった。

スクープは国家、国民のためと言うが、実は本音は記者の功名心の方が勝っていると、思う。

先日、事件から50年の記事が徳島新聞に掲載(共同通信配信)されていたが、西山さんは『私は犠牲者たが勝利者』と、意気軒昂だった。現在、92才になる。


西山さんはこの女性が好きだから抱いたのか⁈それは定かではないが、女性のためには『好きだったから』とは、言っては欲しかった。

女性はその後、実名で事件について告白。映画にもなった澤地久枝さんの『密約』に、彼女の心情は詳しく吐露されている。西山記者に対しては怨嗟の思いしかなかったようだ。
お元気なら91才になる。

【西山事件】1971年の沖縄返還協定にからみ、取材上知り得た機密情報を国会議員に漏洩した毎日新聞社政治部の西山太吉記者と、情報を西山記者に渡した外務省女性職員が、国家公務員法違反で有罪となった事件。別名、沖縄密約事件、外務省機密漏洩事件

もりもとなおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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