かつての世界一の技術大国も今は昔なのか⁈
今回の新型コロナウイルス感染拡大でひとつはっきりしたのはオンライン教育など、日本のIT技術、IT教育の遅れだった。
かつては、間違いなく日本のエレクトロニクスは世界でトップクラスの時はあった。半導体などの先端技術だって世界の科学技術を支えていた。
理工系大学の学科でも電気電子や情報系に優秀な学生が集まっていた。日本には世界のSONYがあるという、変な安心感もあった。
ノーベル物理学賞だってどちらかと言うとお家芸のような気でいた。
だからITやAI技術は当然、世界でもトップクラスなんだろうと、思うようにしていた。
旧ソ連の小国エストニアがIT大国だった驚き
それがどうだ。新型コロナウイルスの感染拡大に関連し、いろんなことが分かってきた。
結論からいうと、ITとAIに関しては今や後進国のようなのだ。というよりも欧米や中国、韓国やシンガポールよりも相当、遅れをとっている。
昨日、テレビに元大相撲の関取把瑠都が登場した。現在、母国エストニアの国会議員という。
エストニアは旧ソビエト連邦の一つで人口わずか130万人の小国だ。しかし世界一、生活にIT技術が生かされている国といわれ、日常生活の99%、ほぼ全ての生活が日本のマイナンバーカードのようなパーソナルカード1枚でOKだ。
もちろんかなりの高齢者も使える。PCなどにカードを差し込むだけなのだ。把瑠都自身の選挙も、ネット投票だったのはいうまでもない。
コロナ禍で露呈した日本のIT後進国ぶり
コロナウイルス対策として、紙幣や硬貨を手で触れないことが指摘されている。当然、電子決済が注目されるが、なかなかエストニアのようにいかないのが、わが国の現状だ。

そして今回のコロナ騒ぎではわが国のIC T教育の著しい遅れを痛感した。小学校どころか大学でもオンライン授業に移るのに、かなり対応に時間がかかったようだ。
結局、春休みを挟み3ヶ月近く公立の小学校、中学校、高校は休校措置がとられた。この結果、夏休みと冬休みがかなり短縮されることが決まっている。
この3ヶ月、きちんとオンライン授業ができていたら子どもたちにこれほどの負担はかけなかった。

全ての児童生徒にタブレット端末と家庭にWi-Fi環境を
学校単位でそれなりに宿題を出したりもしたが、所詮、単位にはならない。熊本市では市内全小学校でオンライン授業が行われたがあくまで例外で、全国では試みたところを含めてもごく僅かだった。
こんな時のためにICT教育を進めておくべきだったと文部科学大臣まで悔やんだが、まず小中高、全ての学校に電子黒板、さらに1人1台のタブレット端末、そして全ての家庭をWi-Fi環境下に置くことが必要だ。
この程度の整備を国と自治体が1年以内にするくらいでなければ、IC T教育の先進国の仲間入りはできない。
そしてあとひとつ重要な問題として、対面指導なしでは原則、単位として認めない文部科学省の規制を、早く取り払う必要があるのは言うまでもない。
もりもとなおき