バブル崩壊後、酷い就職難に見舞われた就職氷河期世代に対し、政府は昨年来、救済する方向で企業や自治体に働きかけてきたが、ここにきて企業の9割が採用できない方向であることが、共同通信社の調べで判明した。襲ってくるコロナ不況世代もまた新たな就職氷河期世代なのか。

就職氷河期世代を3年で30万人、正規採用目指したが…
共同通信社がこのほど、主要111社にアンケートした結果、就職氷河期世代を採用する予定がないとした企業は、回答した102社のうち90社に上った。
政府はこの世代の正規雇用を3年間で30万人増やす目標を掲げ、積極的な採用を企業に要請している。
しかし新型コロナウイルス感染拡大で企業側の先行き不透明感から、全く協力されないようだ。企業の存亡さえ危うくなっており、手が回らなくなったのは間違いない。
元々、この世代の採用に積極的でなかったのに加え、新型コロナウイルス感染拡大によるコロナ不況で、定期採用さえ多くが暗礁に乗り上げている。
新卒時はバブル崩壊、今度はコロナ大不況に
やっとの思いで政府が彼らのために動き出したところだったが、新卒の時はバブル崩壊、再出発の時はコロナ大不況……
またしてもまさかの事態が、この世代に暗い影を落としている。
就職氷河期とは、一般的にバブル崩壊後の就職活動時期を指す。具体的には1991年頃から2005年頃に社会人になった世代が該当し年代の幅は広い。現在の年齢でいうと40歳前後になっている世代だ。
またしても新たな就職氷河期世代が
当時の新規採用は少なく、正社員として就職できなかった新卒者は、最終学歴を問わず非正規雇用で働かざるを得ないケースも多かった。
結果、ずっとアルバイトや非正規で年齢を重ねた人が他の世代に比べ格段に多くなっている。
こんな状況が生まれたのは、企業が新卒採用人数を絞ったため、求人倍率が大幅に低下したからだ。
コロナ不況は世界大不況になるのは間違いない。またこれから社会人になる若者たちにも就職氷河期がくるのだろうか。
もりもと なおき