少なかったことが判明、日本人の抗体保有率
日本は新型コロナウイルス感染のPCR検査の数が少ないから、感染者数が少ないのは当たり前と、したり顔で解説する人が多かったから、『そらそうだろう』と思っていた。でも実際、感染者は欧米に比べてかなり少ないようだ。
この度、厚生労働省が行った新型コロナウイルスの抗体検査の結果、東京で抗体を持っている人はわずか0.1%だった。米国ロサンゼルスが4%だからわずか40分の1だ。もちろん、多いのか少ないのかはわからないが、私は少ないと思う。
しかし逆に少ないからこそ、日本人は常に感染のリスクと隣り合わせかもしれない。良いワクチンができ普及するまでは決して気を抜いてはいけないと感じた。

抗体保有率、東京は0.1%、宮城は0.03%
都道府県のうち感染者が多い東京都、大阪府と、少ない宮城県6月1日〜7日に抗体検査を実施していた。
その結果、東京は1971人中2人、大阪は2970人中5人、宮城3009人中1人に抗体があったという。
陽性率(保有率)は東京0.10%大阪0.17%宮城0.03%だった。
恐らく、専門家が予測していたよりかなり少なかったのではないだろうか。
一方、検査前日、5月31日時点の累積感染者数は東京5236人(感染率0.038%)大阪1783人(同0.02%)宮城88人(0.004%)だった。
この数字に比べるとやはりPCR検査で判明した感染者より、実際には東京で3倍、大阪で8.5倍、宮城は7.5倍の抗体保有者がいたことが、分かった。
ロスは4%、ストックホルムは7.3%の抗体保有率
ちなみに欧米の抗体率は米国ロサンゼルスが4%、スウェーデンストックホルムが7.3%だから、日本の主要都市の低さが際立った。
恐らく感染者がゼロの岩手県などは、抗体を持っている人も限りなくゼロに近いかもしれない。

逆にこれからも感染拡大は要警戒だ
今回の数値に関しての評価は様々だと思うが、予測より低かったと考える専門家の方が多いのではないだろうか。
なぜ日本人の抗体保有率が低いのかは、今後の研究が必要だ。やはり公衆衛生面での意識の高さ、あるいは一部の専門家も指摘してきたように、幼少期のBCG接種も影響しているのかもしれない。
しかし抗体保有率が低いのは、それだけまだ感染する可能性は高く、逆に危険でもある。今後も第二波に十二分に警戒するのはもちろん、ワクチンの普及までは手を緩めてはならないのかもしれない。
もりもとなおき