昨年、68歳の後半にがんになったが、当初は余命宣告されるほど、厳しいものだった。
友人たちは『もう少し頑張って、来年ある古希の同窓会に絶対、一緒に行こう!』と、言ってくれた。

中学の同級生の鈴木のマー坊や、小学校の同級生の石田君、泉ちゃん、河辺君たちにそう言ってもらったことが、どれだけ頑張る力になったことか。
しかし今年度あるはずだったその小学校や中学校の『古希同窓会』も、未定のまま宙に浮いているようだ。
全てこのコロナ禍のせいなのだ。
ここ3年のコロナ禍は多くの人に行動制限をかけ、皆んなの人生を本当につまらなくしてしまったのは間違いない。
大学も行けない大学生。部活もままならない中高生もかわいそうだった。
残りの人生の時間に限りのある高齢者や、いつ容態が変わるかも分からない私たちのようながん患者にも、切ない思いをさせている。
さあ、これから色んなところへ旅行に行きたい。遠くにいる孫とも頻繁に会いたいと考えていた高齢者の夢を、コロナはどれだけ奪ったことか。
高齢者施設の入所者たちは家族と会うのもままならず、たまに面会してもガラス越しで僅か10分間…こんなことを誰が想像しただろうか。
私だって今、抗がん剤の奏効でがんは完全に落ち着いている。だから元気なうちに東京も行きたい、名古屋も行きたい、妻とクルマで温泉巡りもしたい…
こんなことばかり考えているが、ままならない。
あーあと、ため息しか出ないね。
(小学校卒業50周年同窓会で、6年3組のクラスメイトと)
もりもとなおき