『昔、マー坊と利用した歌舞伎町のサンドイッチ食べ放題の茶店の態度の悪さが懐かしい』
喫茶店でモーニングサービス付きの珈琲を飲むのは凄く豊かな時間だと思っている。
学生時代だと鈴木のマー坊とは頻繁にモーニング巡りをした。僕らは喫茶店のモーニングサービスの充実ぶりが有名な名古屋育ちだ。東京でも満足させてくれる店はなかなか見つからなかったが、マー坊はいい店を探し出すのが上手かった。
普通、トースト、ゆで卵、小さなサラダが基本だが、マー坊が探してきたのはトースト、ハムエッグに果物付き。なんと当時はまだ高価だった生パイナップルが。
『この店はどえりゃ〜充実しとるがや!』と。これで当時は150〜180円だった。
あと"サンドイッチ食べ放題"の店もマー坊が探してきた。場所は新宿歌舞伎町だから、朝から行くのは憚られた。なんせ客はホスト風が多かったからだ。

しかしたったの180円で満腹になれば昼は抜きで昼メシ代が浮く。
思い切って入ったが、確かに一皿目は安いハムに紙のように薄いキュウリを挟んであったから、サンドイッチだ。
当然、お代わりしたら今度はジャムだけ薄っすら塗ったものが加わった。
でもまだまだ。三皿目をお代わりしたら無愛想に皿を置き、今度は8割がジャムだけ。
勇気を振り絞って4度目のお代わりをしたら、ボーイが『ガチャン!』と、割れるんじゃないかと思うくらいの勢いで皿をテーブルに。
遂に中身は微かに塗ったジャムだけの"サンドイッチ"だった。
『お前ら、いい加減に止めろよ』ということだったんだろうな。
別の友人らともいってみたがやはりボーイの態度は同じパターン。絶対、皿は割れると思い、5皿目お代わりはやめて退散した。
しかしモーニングを探すにも、街中の喫茶店そのものが本場名古屋でも激減しているという。独身マー坊も今は朝食難民だ。
もりもとなおき