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シャブ中組員に捕まり頭に拳銃を突きつけられたターさんの恐怖

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『拳銃を撃ちまくるシャブ中組員に、頭に銃口を突きつけられたターさんの恐怖』

長いこと事件担当の記者をしたが、銃弾をかいくぐったような経験は私はもちろんない。
でもターさんこと田中良昌先輩は、なんと海岸で拳銃を撃ちまくっていたシャブ中の暴力団組員に捕まり、頭に1時間も銃口を突きつけられるという恐怖の体験の持ち主だった。

想像しただけでちびりそうだが、この武勇伝は歴代徳島新聞のサツ回りに語り継がれ、このくらい頑張ろうとの生きた教材となってきた。

これは私が入社する3年ほど前の出来事だ。日が暮れた徳島市の大神子海岸で拳銃を撃ちまくっているヤツがいるとの110番通報で、記者クラブの記者らも現場へ走った。


ところがターさんはそこで運悪く犯人と鉢合わせしてしまった。
そして拳銃を構えた男に捕まった挙句、1時間余りアタマに銃口を突きつけられ、人質になってしまったのだ。
最後は犯人は取り囲んだ警察に確保さたが、ターさんは生きた心地がしなかったに違いない。

あとで判明したが、男は覚せい剤中毒の組関係者。"ピストルを撃ちまくるシャブ中"とか、考えただけで恐い。
ターさんの貴重な"体験"は署名記事になり、今も記者クラブのボロボロになった古いスクラップブックに残される。

そして新人がサツ回りに配属される度、それを読んで次の新人に伝えていくのが社の伝統だった。
もっとも質の悪い伝言ゲームと化し、話しが少しずつ違ってきたような気もする。
ターさんが自分で書いた記事では『えーい、もうどうにでもなれ!と、どっかとその場に腰を下ろした』…など、完全な武勇伝にはなってはいるが…

実際、ターさんは当時、柔道四段の猛者。いくら相手がヤクザでも丸腰なら赤子の手をひねるレベルだった。
事件については『チャカ頭に突きつけられたらなぁ……』と語る程度。私にも生前、この事件については何故か寡黙だった。

もう1人の先輩によると、発砲事件の時、警察無線を聞いていたら『○○新聞(大手紙)石○記者のカメラとノートを発見!安否確認できず、どうぞ!』と、警察もかなり興奮した様子だったとか。

この大手紙記者はノートとカメラを放り出し、慌てて逃げたことが判明。やはりわが社のターさんの方がごつかったのオチでした。

ターさんは事業局長などを歴任したあと、長らくFM徳島の社長を務めたが、若い時の無茶がたたり、今の私くらいの年齢で亡くなった。

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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