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タイ洞窟少年、奇跡の生還。コーチのチカラは大きかった

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まさに奇跡の生還だった


タイの洞窟から出られなくなった少年、コーチ13人全員が無事、17日ぶりに救出されたニュースは、世界中が喜びに湧いた。地元捜索隊の決断、ひとりの尊い犠牲者を出しながらも全員救出したプロのアクアラング隊に改めて敬意を表したい。少年たちやコーチは何故こんなところへ?と思われたが、もう2年も前から懐中電灯を手に探検していたらしい。

唯一の大人であるコーチの責任も問われるかも知れないが、タイでは子どもたちが全員、無事に救出されたことはコーチの冷静沈着な指導のおかげと、逆に賞賛の声が上がっている。

まさにその通りで、大人と子どもというのはもちろん、危機の時のリーダーの対応が生死を分けることを教えてくれた。

しかし、日本では一部のタレントがワイドショーで『多くの人に迷惑をかけたことを自覚すべき』など、相変わらず陳腐な自己責任論を展開。そんなことは言われなくともコーチはむろん、子どもたちでもわかっている。なぜ、素直に祝福しないんだろうか。


子どもたちの無事はコーチの指導と、彼への信頼


少年たちのサッカーコーチであるエーカポンさん(25)は幼少時、両親を亡くし、孤児として寺院で育てられた。成人後は夜市で小物を売るのを生活の糧にしていたが、好きなサッカーコーチの職を得て、少年たちと出会った。少年や家族とはサッカーを離れても、繋がりは深く、少年たちの信頼は厚かったようだ。

洞窟ではコーチは冷静だった。当日は仲間の誕生日を祝う予定だったので、お菓子とジュースをたくさん持っていたが、これを公平に分け少しずつ食いつないだ。不潔にならないよう、トイレの場所も決めた。水は鍾乳石から垂れる清潔なものを飲んだ。体力を消耗しないよう、酸素が減らないよう、大きな声を出さないように指導した。もちろん、希望を失わないよう、必ず戻れると元気づけたという。

もし彼がおらず子どもたちだけだったら、恐らく悲惨結末になっただろうとの見方は強い。

子どもたちの親はまだ救出されていない段階で、コーチに対し"自分を責めないように"との手紙を捜索隊に託したという。子どもにとって指導者がいかに大切かを考える"事件"でもあったのではと、思います。

もりもと なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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