タバコの害は煙だけじゃなかった
プラスチックゴミで一番、多いのが、タバコのフィルターだと聞いて驚いた。これだけ喫煙人口が減ってきたのに、昔は大変な量だったんだろうと考えるとゾッとします。
これが道路や側溝にポイ捨てされ、川を経て海へ流れ込み、どれだけ海洋生物に悪影響を及ぼしていたことか。
ちなみにポイ捨ては吸ったタバコの3分の2に当たるとか。
見ただけでゾッとする吸殻の山
タバコのフィルターはプラスチックの一種の酢酸セルロースが使われており、分解されるまでには最大で10年もかかるという。
1年間に製造されるたばこは約6兆本だが、うち90%以上にプラスチックフィルターが含まれている。
タバコフィルターの議論も必要だ
これはなんと100万トン以上のプラスチックに相当するというから、これが無責任に捨てられる害は驚くほど多い。
ペットボトルやレジ袋が問題にされる中、全くプラスチック問題の中ではタバコのフィルターは議論されなかった。
米国の海洋保護団体が毎年行っている世界のビーチの清掃活動で回収したごみは、活動を始めた1986年以来の統計では、タバコの吸い殻が最も多かったという。ゴミとして集めた吸い殻は6000万本を超えている。
欧州議会ではプラスチックフィルターの大幅な削減目標を立てたが、今のところうまくいっていない。
(2030年に80%減とか)
このため、タバコメーカーに対し、啓発キャンペーンの実施や灰皿設置のための資金を拠出し、環境破壊の原因となるプラスチックがフィルターに含まれていることをたばこの箱に表示することなどを求めている。
JTなどタバコ産業も対応を考えるべき
日本でもJTが『拾えば街が好きになる』みたいなキャンペーンを10数年前から行っているが、最近はどうだろう。
やはりこうしたキャンペーンは大きくしていくことが大切だし、吸殻ポイ捨ての害をJT自らがもっとPRすべきだろう。製造者の責任として、やって欲しいものだ。
歩きながらあるいは自転車に乗ってタバコを吸うヤツは、見ていると100%、投げ捨てる。
もりもと なおき