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ペルー人の6人殺害控訴審。死刑が一転、無期懲役は無罪に等しい

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6人という大量殺人で無期懲役は無罪に等しい


責任能力の有無が争点となった控訴審判決で、6人殺害で死刑の一審判決が、一気に無期懲役となった高等裁判所の判断が1ミリも理解できないのは私だけだろうか。

"完全に心身喪失で、全く責任能力がないから無罪"と言うならまだ理解可能だが、大量殺人がなぜ無期に減刑?

心神耗弱と心身喪失に対する鑑定の合理性、そして裁判官の判断に注目したが、まさかの無期懲役だった。

とにかく酷い殺人事件だった

2015年9月14日〜16日、埼玉県熊谷市で民家3軒に侵入。7才から84才の計6人を包丁で殺害し、強盗殺人罪などに問われたペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(34)の東京高裁(大熊一之裁判長)での控訴審判決。


なんと高裁は被告は犯行時、心神耗弱状態だったとし、死刑とした一審・さいたま地裁の裁判員裁判の判決を破棄、無期懲役を言い渡した。

心神耗弱は当然、減刑となるのは分かる。しかし殺害は6人にも及ぶ大量殺人だ。3軒、別々の家で犯行を繰り返した。7才と10才という子どもも容赦なく殺害した。

当然、検察は上告するだろうが、高裁の判断は大きな問題残すのではないだろうか。

死刑を無期に軽減するだけの合理的理由はなかったと思う

責任能力の有無が最大の争点だった。18年3月の一審判決は、被告が群馬県の食品加工会社で孤立し、寮を離れた経緯や精神鑑定から統合失調症による被害妄想があったとことを認定した。

しかし所持金が底をつき、強盗に入るなどの「目的に沿った行動をとっている」として、精神病が責任能力に著しい影響を与えたとまではいえないと判断。

これに対し弁護側は、被告はことの善悪や犯行を思いとどまる能力を失った心神喪失の状態だったと無罪を主張。
少なくとも、そうした力が著しく欠けた心神耗弱の状態で刑を軽くすべき事案にあたり、死刑は適用できないと訴えていた。

殺人犯の精神状態は犯行時と逮捕勾留後は間違いなく異なる

殺人を犯す時、間違いなくその人間の精神状態は普通ではない。さらに殺人を実行し逮捕・勾留された後の精神鑑定はさらに顕著に異常を示すのではと事件記者時代、いつも考えていた。

だから裁判での精神鑑定の評価のあり方は極めて難しい。証拠採用された鑑定はあくまで犯行実行後のもの。犯行時の精神状態、責任能力は推察するしかないからだ。

この被告の殺人は一度に6人ではなく、日時が異なり、3ヶ所順に巡っての犯行だ。果たして被告はずっと継続して心神耗弱の状態だったのだろうか。

もりもと  なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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