首都圏のJRの終電が半時間も早くなる
その昔、深夜零時半を過ぎると、新宿駅や東京駅は終電に乗り遅れまいと、サラリーマンやOL、学生たちが猛スピードで改札を抜け、階段を駆け上がったものだ。
自分も経験があるがタッチの差でドアが閉まり終電を見送った時は、終電時刻を恨めしく思ったこともある。
ところがその終電が、首都圏でさらに30分程度繰り上がることになった。
JR東日本の発表では山手線が20分、高崎線が37分など、首都圏のJRの最終電車が20分から最大37分も繰り上げになるとか。


何と旧国鉄以来、半世紀ぶりの終電時刻改訂となる
これまでの終電時刻は半世紀以上も午前零時30分頃と変わらなかったから、サラリーマンたちはこれからは午前零時を目処に家路を急がなければならない。当然、今後、私鉄も追随していくのだろうか。
宵っ張りとしては東京のこととはいえ、何となく寂しく、時代の移り変わりを感じる。
テレビで利用者にインタビューをしていたが、『働き方改革も進んでいるし、いいんじゃないですか』とのコメントが多く、少し拍子抜けだった。
夜の街にとっては売上に関わる重大な終電繰り上げだ
バブルの頃は大企業はタクシーチケットが自由に使えたから、リッチな会社のサラリーマンは最終電車など全く気にせずに遊んでいた。
当時はスナックやラウンジの女の子たちも客からタクシーチケットを貰えるから、最終電車など気にするそぶりさえなかった。
ところがバブル崩壊後はそんな景気の良いサラリーマンはいない。タクシーチケットの会社での管理も厳しくなった。
上京し赤坂とかで飲んでいるとママさんが僕らに『○○ちゃんはもう終電近いから失礼させていただきます』と、せっかく盛り上がっているのに接客してくれていた女の子に帰宅を促すことがしばしばあった。
だいたい零時前が目処だったが、それもこれからは11時半頃になるんだろうか。
働き方改革にも繋がり、生活習慣も変わってくるかも
そしてわずか30分のことでも長い目で見たら店の売れ行きに間違いなく響くと思う。
早くも締めのラーメンが省略されるかもと、ラーメン店は悲鳴を上げているとの、ニュースもあった。
この終電繰り上げも新型コロナウイルスがもたらした"改革"だ。
終電時刻の利用者が激減しているのに加え、保線業務など、少なくともJRの職員にとっては働き方改革となる。
そしてサラリーマンたちもわずか30分であっても睡眠時間が増えるかもしれない。少しだけ健康的な首都圏になることは期待したい。
もりもとなおき