ポケベルに振り回され、公衆電話を探した時代も今は昔
ポケットベルのサービスがきょう9月30日をもって完全に終了する。
誕生から50年、ここ20年余りは携帯電話に取って代わりほとんど開店休業状態だったが、細々と生きていた。
ポケベルに振り回された世代としてはやはり感慨深いものがある。
会社に入るとすぐに電電公社のポケットベルを渡された。
黒で比較的重く毎日、充電が必要で、携帯ケースに入れ腰のベルトに装着していた。
当時は完全な一方通行で、ピーピーとけたたましく鳴るだけ。呼び出しは会社のみだから、公衆電話を探し会社にかけた。

呼び出されるのは今日の出稿予定は?とか記事の注文やの記事内容の問い合わせが大半。
直ぐに応答しないことにイラつくバカなデスクがいたから、そのバカの当番の時はわざとシカトしたものだ。
必ず私のポケベルを鳴らし、『兄ちゃん、何してるんかな?』と、用事もないのに呼ぶめんどくさいオヤジもいた。
液晶のポケベル登場は革命的、カップルの必需品となった
そのうち液晶になり、発信番号が出るようになったのは革命的だった。
呼び出し先が分かるから家庭や友人も直ぐに連絡がつくようになった。

さらに女子高生を中心に、数字でメッセージを書くことが流行り、単なる電話の通信手段ではなく、社会現象と化した。
1141064(愛してるよ)8181(バイバイ)0833(おやすみ)などは若いカップルの必須の数字となっていたんじゃないだろうか。
そしてさらに数字をカタカナに変換できるようになったのも、驚きだった。
テレビドラマでは『ポケベルが鳴らなくて』という恋愛ドラマもあったし、国武万里が歌う同名の主題歌もヒット、ポケベルが若者文化に完全に入り込んだ時代だった。
昨日は秋葉原で"みんなのポケベル葬"があったというから、やはり40代以降ならみんないろんな思い出があったんだろうね。
もりもと なおき