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ラブホを取材基地にタンカー爆発取材。特ダネ写真は共同通信経由で全国に

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目の前でタンカーが爆発、炎上。ラブホを取材基地に


事件記者時代、写真が上手いと褒められることがよくあった。もちろん芸術的なうまさじゃなく、大切な瞬間を逃さないという、うまさの意味だったと思う。忘れられない特ダネ写真の思い出を。

その頃

まだ独身だった郡部の支局勤務の時代。ある公休日のお昼頃、クルマに女友だちを乗せ走っていた。

田舎は娯楽がないので新しくできた○○港近くのラブホへ。駐車場へクルマを入れようとしたまさにその時だった。ドーーーン!という凄まじい爆発音が。

慌てて飛び出し岸壁の方を見たら、停泊していた小型タンカーから真っ赤な炎と真っ黒な煙が!そして岸壁には船体の破片や、明らかな人間の肉片が無数に広がって…

大慌てで愛用のニコンFを取り出し、無我夢中。何度もシャッターを切る。時計を見たら午後12時10分!夕刊の締め切り、降版まであとわずか。


デスクに夕刊降ろすな!フィルムはタクシーで送る!


当時はもちろん携帯もない。近くに公衆電話も見当たらない。慌ててホテル客室に。そして部屋の電話でまず警察と消防。タクシー、そして次に社会部デスクだ。

状況を簡単に伝え、"写真はタクシーで会社に生フィルムを送るから、到着まで夕刊降版を止めろ。スゲー写真なんで必ず使え"と、丁寧に伝える余裕なく大先輩デスクだがエラソーに指示した。

で、タンカーの二次爆発にビビりまくりながら近づいて取材。詳しい内容は分からないが、客室に戻り見たままを電話送稿した。たった30行だが特大の特ダネ写真とともに夕刊1面ぶち抜きだった。

港の近隣は化学工場が立ち並ぶ。タンカーは積荷の化学薬品の気化したガスが爆発した。乗組員3人が亡くなった。



編集局長賞を。ラブホが取材基地は君が初めて…とデスク


夕方、会社に上がったら編集局長賞が決まっていた。局長から「休みなのになんであんなところにいたんだ?」と聞かれたので、「休日は、普段取材で行けないところを、街ダネ探しに回ってるんです」と答えたら、「やっぱり君は違うな」って(笑)

写真は共同通信社加盟の70社が翌日の朝刊に使ったという、特ダネ写真になった。

あせる私に、整理や印刷に怒られながらきちんと処理してくれたデスクは、以前紹介した"パワハラ先輩"。「ラブホを取材基地にしたのは、お前だけなや(笑)」って。

一緒にいた女友だち?大切なフィルムを呼んだタクシーで会社まで届けるという、大役を果たしてくれました。

わが青春のひとコマ。

もりもと なおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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