ここまで女性の地位が低くてはとても先進国じゃない
ほとんど発展途上国並み、いやそれ以下だ。良いとは思っていなかったが、ここまで酷いとは!
安倍政権は女性活躍の推進を大きな政策の一つに掲げるが、何もできていないことを図らずも露呈した格好だ。
国として真剣に対応しなければ世界の中で信用が失墜するのは必至だ。世界の人口の半分は女性なのだから。
過去最低の121位は中国、韓国より低く
世界経済フォーラム(WEF)は2019年の男女平等の度合いをランキングした世界各国の『ジェンダー・ギャップ指数』を発表したが、またしても情けない結果だった。
調査対象の153カ国のうち、なんと日本は121位となり、前年(110位)からさらに順位を落とし、過去最低となった。
ヨーロッパ、特に北欧三国とは比べるべくもないが、中国(106位)や韓国(108位)と比べても下にランキングされた。
WEFは世界の男女格差を解消するにはまだ99.5年もかかるというが、日本だけなら500年くらいかかるんではなかろうか。

政策決定の場に女性がいないと、全てが下位に
指数は経済、政治、教育、健康の4分野で女性の地位を分析し、総合順位を決めている。
世界全体では女性の政治参画が著しく拡大しているが、日本の国会議員はまだ10%と最低水準だった。
やはり政策決定の場に女性がいないことが、他の分野でも日本女性の地位を下げているのは、間違いない。
女性の非正規雇用の多さもマイナスだろう
経済は115位と2つ上昇したが、依然低い。女性の管理職やリーダーの少なさや、低収入が響いている。
当然、非正規雇用の女性は男より圧倒的に多いことを考えれば、改善への道は遠い。
あと、世界の先進国の中で20数年間、賃金が下がり続けるのも大きなマイナスだろう。
福祉国家は総じて女性の地位が高い
世界をみると11年連続トップのアイスランドに続き、やはり北欧三国はトップクラスだ。概して社会保障の充実度と女性の地位の高さは、完全に比例しているのではないだろうか。

先日もフィンランドの首相に34才の女性国会議員が就任したが、まさにこの順位を象徴している。
WEFは各国の政治家や企業家が一堂に介し政治や経済の課題を議論する「ダボス会議」の主催団体。
このデータは世界中に拡散されるから、ひじょうに恥ずかしい話しではある。
突然、この順位は上がらない。地道に男女差別を解消していくことしかない。もちろん意識の改革は不可欠だ。
女性の性被害に対し、セカンドレイプともいうべき書き込みがネットで異常に溢れているうちは、救いようがない。
もりもと なおき