ご祝儀相場(高支持率)のまま、一気に解散・総選挙か
今月半ばに菅政権が発足、臨時国会初日に菅総理は恐らく冒頭解散に打って出るような気がする。選挙は10月25日か。
菅さんのパフォーマンスの無い地味さが逆に幸いし、さらにスタートはご祝儀相場も加わって、かなり高い政権支持率になるのでは。
新政権発足、解散総選挙は自民党にとって絶妙のタイミングだろう。
自民党のこういう巧みな政局のつくり方を見ると、野党の下手くそさが際立つ。菅政権スタートと重なってしまった"合流新党"はますます霞んでしまいそうだ。

菅はずっと石破や小泉の遥かに低い支持だったが…
この1年、マスコミ各社は『次期総理にしたい人』の世論調査を何度も重ねてきた。
大抵は安倍首相と石破茂さんがトップを争い、最近は石破さんがトップに。このあとには小泉進次郎さん、河野太郎さんが続き、菅義偉さんはいつもわずか4%くらいで、岸田文雄さんよりも下だった。
そして安倍さんが辞意表明したあとは、石破さんが34%と期待を集めたが、それでも菅さんも総裁有力候補としていきなり14%に。
驚いたのは2日と3日の最新の朝日新聞調査。菅さんが一気に38%にもなり、25%の石破さん、5%の岸田さんを大きく引き離した。

勝ち馬に雪崩打つ自民党各派閥だが、何と国民まで勝ち馬に?
石破、岸田両派以外の派閥と無所属の多くが勝ち馬に乗るように、雪崩を打って菅支持を表明している。なんと世論まで勝ち馬に乗っているんだろうか。
今後、菅さんが総理になれば人間菅義偉をさらにメディアが取り上げ、好感度は増すだろう。
例えば酒は飲まずパンケーキが大好物などと言われれば、強面で無愛想なイメージは変わる。秋田から出て工場で働きながら法政の夜学に通った苦労人とか。
さらに3人の息子も全員スポーツマンで東大法学部出身とか法政大学アメフト部出身と聞けば、骨太く教育してきたんだなと家庭人のイメージも浮かび、好感度は高まる。

国民は権力者としての素顔と手腕を見極めるべきだろう
しかし忘れてはならないのは7年以上もの間、政権の要である官房長官として君臨し、権力を欲しいままにしてきたことだ。
霞ヶ関の官僚は菅氏ににらまれたら終わりと言われるほど、全ての省庁ににらみを効かせてきた。
もちろん政治主導は悪いことではないが、安倍政権がモリカケ問題などで霞ヶ関官僚たちの誇りを奪ってきたことを忘れてはならない。
官房長官会見も国民が知りたいことに対し『特に問題ではない』などと、真摯に答えないケースも度々、指摘された。
官房長官として政権を守るため、総理を守るための対応ではあったんだろうが、今度は自身がトップだ。もう、菅官房長官はいないのだ。
菅さんが国民に目を向けた政治をするか否か、われわれはきちんと見極めるべきだろう。
もりもとなおき