賛否はあるだろうが重大な局面での小池百合子のパフォーマンスのうまさ、絶妙なタイミングの取り方に改めて感心している。
やっぱり長い間、政党を渡り歩きながらも逞しく生き抜いてきた政治家だと、この度も思った。

自民党都連の小池支持で、7月は再選濃厚に
自民党都連が7月の都知事選に候補者の擁立を断念し、小池知事推薦で調整しているーとのニュースが伝えられ恐らくホッとしたんだろう。
新型コロナウイルス感染関連の連日の記者会見も気合い十分な感じがする。
これまでオリンピックの開催に気持ちの大半がいっていたのか、コロナ関連については都知事としての情報発信は少なく、批判の声も多かった。
独特の感性で危機を鼓舞するのは流石だ
ところが五輪の延期が決まると突然、動きが派手になってきた。
まず一昨日の会見。小池知事が今後の事態の展開、つまりオーバーシュート(爆発的な感染拡大)するようなことがあれば、ブロックアウト(首都封鎖)もあり得ると、極めて刺激的なことばを用いて、東京の危機を訴えた。
横文字を使い危機を訴えるところが、この人、独特の感性だ。確かに危機が伝わってくる。
そして翌日は予告して緊急会見を。終末は不要不急の外出の自粛を都民に強く要請した。
あえて強い口調でリーダーシップ示す
そして感染者の数としては最多の41人が新たに感染したことに触れ、“ノー3密”(換気の悪い密閉空間、多くの人の密集する場所、近距離での密接な会話)を避けること要請。『オーバーシュートを防ぐために意識を持って行動するようお願いする』と、強い口調で訴えたのも、リーダーシップを示したのだろう。
これはもちろん、パフォーマンスではない。人口が多いから当たり前かもしれないが、いつのまにか東京がコロナウイルス感染者が都道府県で1番、多くなったためだ。
東京がイタリアやスペインになる可能性はある
この3日間で70人余、25日だけで41人も感染者が出たから、明日以降のさらなる激増が心配されている。
まさにオーバーシュートするか否かの瀬戸際だという。小池知事がいうようにこの1週間が極めて大事になる。
とにかくこの3連休はコロナウイルスもどこ吹く風。都内の大きな駅周辺は、前の週末より人出がかなり増えていた。3〜4倍のところもあった。
そして芸能界の志村けんさんもコロナウイルスに感染し、重体で深刻な状態だというから、かなり身近な問題になってきている。
東京がイタリアやスペインみたいにならない保障は全くない。人の密集具合は世界有数だ。今回だけは小池知事のパフォーマンスというより、本当に深刻に受け止めるべきだろう。
もりもと なおき