もう全国都道府県の下位の常連ですっかり慣れっこになったが、徳島県の観光客の入り込みや宿泊者数が全国でずっと低迷してきたのは、一に県行政の重大な責任と言っても全く言い過ぎじゃない。

私も20年近く県議会で活動してきた経験はあるが、徳島の観光は何とかならないものかと、いつも自分ごとのように考えていた。
この中でも近年の航空路線に対する県の対応、取り組みにはずっとイラついてきた。
運輸官僚出身の圓藤寿穂元知事が知事となった'93年以降は、一気に航空路線は拡充した。さすが国土交通省(旧運輸省)出身だった。交通政策は目を見張るものがあった。
初の日本航空と全日空のダブルトラッキング。名古屋、福岡便。現在の阿波踊り空港の整備、拡張も圓藤時代のものだ。確か大阪空港への便もジェット化もした。
しかし圓藤さんが知事退任後、一時、全日空が徳島から撤退したことがあった。
このときも私は県担当職員の動きの鈍さに腹が立った。だから仲間の議員と全日空本社や国土交通省にも足を運んだ。
圓藤さん時代からのいきさつを話し、ANA役員らに路線再開に頭を下げたのを思い出す。
普通は知事はじめ担当者が土下座してでも復活すべき重大な施策だ。
とにかく一社だけになった時の徳島ー東京便の航空券のバカ高さ(往復6万円近くまで)を覚えているだろうか。全国一だった。
このことがどれだけ人とモノの首都圏との交流を阻害したか。


先日も話題になったが、四国では徳島だけがLCCに乗り遅れていることが"恥ずかしい話し"として話題になった。
知事筆頭にいったい何をしてきたのか?
と、批判されるのは当然だ。

来春に向け、県知事選挙の話しが地元メディアで頻繁に取り上げられ始めている。
私は低迷する徳島への人、モノの交流に力を入れる政治家に期待したいし、応援もしたい。
しかしそんな候補がいなければ、もう徳島は諦める。
もりもとなおき