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人気の海部観光バス、コロナで力尽きるも名前と高速バスは残した

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国道11号バイパス近くの徳島県松茂町にある『海部観光グループ』のバス置き場を見るたびに心配していた。コロナで相当、経営は厳しいだろうなと。ズラリと並び動くことのないバスたちに、胸が痛んだ。

東京の運送会社の子会社として、名前は残して再出発へ

同じく東京や京阪神へ高速バスを運行するJRや徳島バスも同じように運営は厳しいんだろうが、やはり体力の差はある。

両社もしんどいのは同じでも徳島県南部の小さな町・美波町からスタートした海部観光グループ(子会社に阿南市のフロンティアK)は相当、ボディーブローにきている感じはした。

そしてやはり心配していた通りだった。ついに東京の運送会社を核とした『ナオヨシ』の傘下に入るとの記事が昨日の徳島新聞に掲載されていた。
ナオヨシに株式を譲渡して子会社となり、再出発することが決まったようだ。

"安かろう良かろう"の経営理念を貫いていた『海部観光バス』

とにかく海部観光の大阪や東京行きの高速バスは運賃が安かった。これで大丈夫なの?と、こちらが心配するくらいだった。

そして海部観光の凄いところは弱小の企業にもかかわらず、豪華なバスを使っていた。相当、頑張って設備投資をしていたに違いない。

そしてサービスも抜群だった。ドライバーは恐らく公営バスをリタイアした人が多かったのかもしれない。
年配者が多かったが、優しく親切な接客で温かい雰囲気に満ちていた。

要するに安かろう悪かろうじゃない。"安かろう良かろう"だったのだ。
経営者の理念がまさに生きたバス会社だった。徳島県民に愛され、さらにこれからという時、コロナ禍に襲われたのは残念でならない。

これからも徳島県と大都市を結ぶ大切な足に

まるで個室のようなバス『マイ・フローラ』を運行すると聞き、東京から徳島まで利用したことがある。座席はもちろん、一列で、完全個室になっていた。

マイ・フローラの豪華な車内

シートは飛行機のビジネスクラスのように背もたれを倒すと水平となり、ゆっくり睡眠もとれたのを覚えている。ずいぶん人気があり、かなり前から予約が必要だった。

子会社化されても『海部観光』という名称は残り、これからも今まで通り運行するという。
もちろん、今はコロナの影響で減便しているが、新会社は新たな路線も開発したいという。

何よりホッとしたのは90人の従業員は1人も解雇されることなく、引き続き雇用される。
首都圏や京阪神への県民の足を、これからもJRや徳島バスとともに守って欲しい。

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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