四国四県の受験生への特別枠など、鳴り物入りで開学した安倍首相のお友だち、加計学園が愛媛県今治市に開学した岡山理科大学獣医学部は、四国枠どころかこの4月入学の四国出身者の合格者は、なんとゼロだった。

四国枠、合格者は3年でわずか5人、今年はゼロ
これまでの合格者は開学した2018年はたったの4人、昨年はわずかに1人。全体の志願者は増加しているだけに、地元にはずいぶん嫌われたものだ。
開学当初のスキャンダラスな多くの話題も、地元で受験生が敬遠する理由かもしれない。

同学園は開学の目玉として四国枠最大20人としてスタートした。
獣医学部としては全国で最も偏差値は低く、合格しやすいはずだ。しかしながら四国の志願者そのものが少なく、3年間でわずか16人と、全くの期待外れとなっている。
四国枠、他大学と併願できない"専願"がネックか
四国枠は四国4県の高校出身者が対象。年間100万円の授業料支払いを6年間猶予する。
さらに卒業後、四国で勤続5年、獣医師として勤めた場合は返済が免除されるから、かなりの優遇措置のはずだ。
特別推薦入試(専願制)とセンター試験利用(併願制)のうち、成績上位者の計20人(特別推薦16人、センター試験4人)以内が対象だ。
特別推薦では調査書の評定平均値が4・3以上という条件もあるが、たいした点数ではない。
最大のネックになるのは特別推薦は専願ということだろう。偏差値的には滑り止めにしたい大学学部だから、優秀な獣医学部志願者は躊躇するのかもしれない。
愛媛県は今年度も約7億円弱も補助したが…
この学部へは愛媛県が今治市を通じ、今年度も6億9097万円もの補助金を出す。これで愛媛県はおろか四国でゼロでは、県民の批判は必至だ。
愛媛県の中村時広知事は「四国枠のパンフレットを作って配布したといっても、それでこういう結果か」と不満そう。
さらに学園の取り組みを促していく。
同大学学部の20年度志願者(1月公表分)は一般入試前期2方式で26・8倍(前年同期20・4倍)、センター試験利用で28・4倍(同14・9倍)と競争率が過去最高で、志願者自体は増えている。
もりもと なおき