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"介護施設の入所者虐待、過去最多"で思う、故中村博彦先生の教え

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入所者第一を徹底する介護施設

徳島県に社会福祉法人健祥会というたくさんの介護施設を抱える巨大なグループがある。正規職員だけで数千人。大阪、東京などにも進出している。

法人を一代で立ち上げたのは参議院議員だった故中村博彦先生だ。

私もその昔、ご縁をいただき薫陶を受けた。
そのおかげで高齢者福祉の心の在り方についてまで、かなり深いところまで知ることができた。

自分の手抜きをごまかすな!

中村先生と知り合って間もない頃、こんなことがあった。
特別養護老人ホームなど、介護施設は独特の臭いがする。
だから出入り業者が防臭剤を売り込みに来るが、それを直ぐに買った施設長がいた。それを知った中村先生から激しいカミナリが落ちた。

先生曰く『きちんと掃除をしてあげ、いつも下のお世話をきちんとしていたらそんなものはいらない。人工の香りで自分らの手抜きを誤魔化すな!』と。

私はそれを聞いた時、これが介護の基本なんだな。きちんと環境を整えてあげることが利用者を大切にすることなんだなと、納得した。

この時の中村先生の怒鳴り声が福祉を考える自分の基本となっている。

ジーンズ履きたかった女性の願い叶える

この話しも感銘を受けた。
健祥会は重度心身障害者施設もある。トイレ介助などしやすいように、みんな脱がし易く履かせ易いスウェットを履いている。

が、そこに入所している若い女性の障害者が"ジーンズを履いてみたい"とずっと憧れていたことを中村先生が知った。

そして女性の願いを知っていたのに叶えなかった職員らに
『君らだって仕事はジャージのユニフォームでも、休みの日はお洒落するだろ!彼女だって生まれてから一度も履いたことのないジーンズを履いてみたいんだよ!なぜささやかな夢を叶えてあげないんだ!』と。

その女性は下肢が完全に麻痺しており、ジーンズを履かせたり、脱がしてあげるのには、相当の手間がかかった。
しかし中村先生はトイレひとつに何倍も手間がかかることに対し、持論の『労を惜しむな』と、職員らに教えたわけだ。

こんな具合だから、健祥会には何千人もの職員に中村イズムは染み込み、伝わり続けている。
中村先生の死後、長男中村太一氏、長女中村晃子氏が法人を継承しているが、施設の運営精神は何ら変わらない。

先生の薫陶を受け、独立した職員もいるがみんな精神を引き継いでいるから素晴らしい。

実はこのニュースを見て中村先生を思い出した。お元気ならこの現状に、烈火の如く怒っただろうな。

特別養護老人ホームなどの介護施設で平成29年度、職員による高齢者への虐待が確認されたのは510件(前年度比58件増)で、11年連続で過去最多となったことが、26日公表された厚生労働省の調査で分かった。家族や親族など養護者による高齢者虐待も1万7078件(同694件増)と5年連続で増え、過去最多。

 

これは酷いな。しかし現状だ。

  • この記事を書いた人

morimoto_ naoki72

森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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