未来への夢や希望が他国よりケタ違いに低い日本の若者
こうした考えは昔からなんだろうか?それとも長い年月をかけ徐々に若者に無力感が浸透していったのか?
少なくとも半世紀前の団塊の世代による学園闘争の時代はそんなことはなかったのは、間違いないが…

何れにせよ世界の他の国に比べに日本の若者の将来への期待や変革の志がケタ違いに低いことがわかった。
原因は恐らく無数にあるんだろうが、若者本人に何の責任はなく、私たち親や祖父母世代の責任だ。
もっとも変な志を持たずとも、平々凡々な人生だって、そう簡単なものではないが…

社会の責任ある一員である自覚、他国のわずか3分の1
日本財団による恒例の20回目の『18歳意識調査』(2019年9月下旬から10月上旬調査)による。国はインド、インドネシア、韓国、ベトナム、中国、イギリス、アメリカ、ドイツと日本の9ヵ国、17~19才の1,000人が対象。それぞれ国や社会に対する意識を聞いた。
それによると「自分を大人」「責任ある社会の一員」と考える日本の若者は約30~40%と他国の3分の1から半数近くしかいなかった。
「将来の夢を持っている」「国に解決したい社会課題がある」に対する回答も、残念ながら他国に比べ30%近く低い数字となった。
国や社会を変える変革の志も極端に低く最下位に
さらに「自分で国や社会を変えられると思う」人は僅か5人に1人。これは日本を除いて最も低い韓国の半数以下という低さ。
国の将来像に関し「良くなる」と答えたのはトップの中国(96.2%)のわずかに10分の1。全体に途上国や欧米先進国のいずれと比べても数字の低さが際立つ調査結果となった。
また約38%が国の将来は「悪くなる」と答え、これは9ヵ国中トップ。しかしながら解決したい社会課題としては「貧困をなくす」「政治を良くする」などが他国と比べ高い数字となった。
唯一の望みは『政治を良くしたい』が他国より多く
これらの調査項目で判断すると、日本の若者は"責任ある社会の一員ではなく、将来への夢はなく、国の将来像にほとんど期待していない"という、極めて残念な結果となった。
しかし唯一、光を見たのは『貧困を無くす』など、公平な社会の実現への思いが強いこと。そして様々な矛盾の元凶である政治に対し『良くしたい!』との思いが強いことだ。
結局、若者に多くのネガティブな思いをさせてしまったのは、日本の政治の劣化が最大の要因のような気がする。
もりもと なおき