国づくりをするうえで本当は大切な国政調査
5年に一度の国政調査は国の様々な施策を推進していく上での、基本となる人口動態や国民の生活実態を知る極めて重要な調査だと、ずっと思ってきた。
とりわけ自身は新聞記者や地方議員をずっと仕事にしてきたから、記事を書く、政策を提言する、批評する上で、国政調査に基づく数字は大切に考えてきた。
地域のベテラン国政調査員が、歳を重ねてから勲章や褒章の栄誉に輝くのは、やはり重要な調査である裏付けでもあったと思う。

締め切り前日の回収率はわずか53.1%しかなかった
ところが驚いた。今回の調査は昨日、7日が回答の締め切りだった。しかしながら前日の6日の段階で回収率はなんと53.1%しかなかった。
国は慌てて20日までの回収延長を打ち出したが、果たしてどなるのだろう。
過去最低だった前回2015年の最終回収率86.9%をさらに割り込むのではと、みられているが、こんな数字では、国政調査と言えるのかどうか。
総務省によれば1990年まではほぼ100%だったからやはり国民の国政調査への認識度に、差が出てきたのかもしれない。
あと超高齢化社会であることも大いに関係はある。書類を貰っても、回答できない高齢者も相当、増えているはずだ。
一部には重要資料を隠ぺい、改ざんした政府への反発も
一方、安倍政権下、隠ぺい、改ざんをした政府へのあてつご、調査表を黒塗りで提出するというSNS投稿が見られ、驚いた。
賛意を示す声は多いようだが、隠ぺいした政府と私たちまでが同じようなことをしてどうする?と思う。
どこが政権をとっても国政調査はあると、こうした人たちには言いたい。
もちろんプライバシー意識の高まりで1995年に未回収が0.5%あったなど、毎回、下がっている。
今回はこれまでお試しだったネット回答にも総務省は力をいれ、ネットだけで50%を目指しているが、これも6日の時点で35.1%しかない。
プライバシー意識の高まり、政府への積み重なった不信感、そして超高齢化…国政調査自体が曲がり角にあるのは間違いない。
もりもとなおき