典型的な団塊世代の生き方を実践したイキな女性だった
団塊の世代は男も女も多士済々だ。新宿ゴールデン街のバーのママから衆議院議員となり、本会議場でトレードマークのベレー帽をとる、とらないで物議をかもした。
記憶に残る議会活動は残念ながらこのくらいだが、本来はとんでもない才女だった。
元衆議院議員、元全共闘活動家、新宿ゴールデン街のバーのママ、長谷百合子さんの悲報が伝えられた。72才だった。

天下の才女、新宿ゴールデン街のママさんから国会へ
天下の俊英が集う名古屋の愛知県立旭ヶ丘高校からお茶の水女子大学出身だから、この世代の絵に描いたような秀才だ。
学生時代は全共闘運動に身を投じたから、これもまたお約束。
大学を出たあと新宿ゴールデン街で文化人や作家らが集うバー『ひしょう』を経営していたが、1990年突然、土井たか子委員長の日本社会党から東京11区で衆議院議員に立候補し初当選。93年、次の選挙に落選するまで、1期だけ務めた。
ベレー帽の問題の時は、最後は身内の社会党まで批判的だった。意固地になりなかなかとらなかったのも、この世代の人だなあと、思った。
才能はあるが不器用な生き方は典型的な団塊世代だった
社会党時代は90年初当選組のニューウェーブの会に属し、故仙谷由人氏らと活動した。
今の立憲民主や国民民主の政治家に比べ、このグループの政治家は遥かに骨太だったような気がする。
その後、小沢一郎の新進党に移ったが、選挙には出なかった。
またゴールデン街に戻りバー『ひしょう』を経営していたが、たまにメディアにも登場した。政治的発言もよくしていた。
ゴールデン街では名物ママのひとりだったんだろう。
全共闘世代は皆さん器用、不器用と2通りの生き方をしているが、長谷さんは間違いなく不器用な生き方をしたんだと思う。
そんな彼女の生き方に私はシンパシーを感じる。
もりもと なおき