昨年5月、酷い胃がんと肝臓転移で自分の余命と死を受け入れた時、それを乗り越える力となったのは、たくさんの激励のことばだった。

昨年6月頃、"お別れ"のつもりで会ったりメッセージをした人たちが、いろんなことばを私に伝えた。
とりあえず元気になった今、ことばの持つ力を改めて実感している。
■私が刮目する徳島市内の2人の若手経営者
『森本さんは死ぬわけがない。目と声に力がある。例えステージ4でも間違いなく癌を治してしまいますよ。気休めじゃなく僕らは心底、そう思っています』
闘うオーラがあり、今後徳島を背負うであろう2人だ。彼らにこう言われた時、癌と闘うチカラが確実に湧いてきた。
■後輩のある大手マスコミの論説委員長
『今の医学と薬学の進歩は森本さんの想像を遥かに超えています。全て徳島大学のドクターに任せましょう。森本さんはそう簡単にやられません』
彼は少年時代、癌で父親を亡くしており、記者時代は癌治療の最前線も取材してきた専門家。自身もステージ4の前立腺癌を克服した。その彼が大学病院の標準治療がベストだと。

■小学校からの親友の某公立病院長の河辺君
『そうか末期か。でも最近の抗がん剤は良く効くよ。まず肝臓を黙らせて、胃癌を小さくしてオペが目標じゃないかな。担当医師を心から信頼し気持ちをゆったりと。大丈夫だよ』(ごく普通に)
副作用で血小板が激減し抗がん剤が延期になった時も『焦ることはない。休むのも治療と思って』と、いつも冷静だ。
■親友の鈴木のマー坊
『ドクターにしっかり任せるしかない。古希の同窓会は絶対に一緒に行こう!約束だがや!』
マー坊は姉さんや仲良しの先輩も私と同時期、癌になり闘病中だ。
■ある早稲田の後輩
『たまに早稲田のキャンパスに来ると必ず先輩を思い出します。森本尚樹の人生劇場はそう簡単に終わりませんよ。先輩がいなくなるイメージが湧きませんから』

■友人の元財務官僚
『身近な女性の仲間に末期癌で余命数ヶ月を宣告された女性がいます。でもすでに3 年過ぎましたが、ウィッグを被りパワフルに働いてます』
こうした例は何より、力になる。
■妻
『2人でランチしたりスタバに行ったり、散歩をしたり。何でもないこれまでの生活がずっと続きますように』
医師から私の余命が6ヵ月と告げられた時は、ショックだったと思う。
まだまだ本当に多くの人にいっぱい生きるチカラをいただいた。自分も病気だけじゃなく弱っている人に、チカラになることばを伝えることができればと、思う。
もりもとなおき