2019年の世界の平均賃金ランキングで、日本はOECD加盟国・地域の中で24位という情けないほど低い結果となった。G7の中ではダントツの最下位だ。OECD加盟は37か国だが、24位は先進国ではほぼ最下位。

こんな哀れな国になったのは、全て政治の責任だ
分析などする必要もなく、最大要因は賃金を抑制されている非正規雇用が、わが国の就労人口の40%近くも占めることだ。働く国民の賃金はずっと冷え込み、大企業だけが膨らんできた。
そして長引く消費低迷とこうした非正規雇用の増加。さらにデフレ経済の中で昨年、消費増税を実施したことが確実に追い打ちになった。
全て政治が悪い、経済団体が悪いのだ。私たちの若い頃は日本は、米国に次いでなんでも第2位だった。だからわれら世代は未だにこうした日本経済の体たらくは、受け入れられないのだ。
新自由主義を推進してきた竹中平蔵氏をまたしても重用する菅政権
アタマが痛くなってらきたのは、"小泉改革"以降、新自由主義の旗を振ってきた竹中平蔵氏などを、菅政権はまたしても重用するようだ。小泉内閣では竹中総務大臣、菅副大臣だった。
この男、最近、年金や生活保護を廃止し、国民1人に7万円支給した良いという、とんでもないベーシックインカムを主張した、人材派遣会社、パソナの会長だ。
自民党政治がこうした愚かさを繰り返す限り、国民の所得が上がり生活が向上することは、もはや不可能だ。
もっとも今の自民党政治は国家の二極化と、国民が貧しくなることは完全看過しているのかもしれない。
竹中平蔵氏などに活躍の場を与えるところを見るとそうとしか思えないのだ。
日本の賃金はトップのルクセンブルクの半分、平均より100万円も低く
世界を見ると平均賃金の第1位はヨーロッパの小国ルクセンブルクの6万870ドルで、3万862ドルの日本と比べて約2倍もある。
韓国が19位で4万2300ドルだから日本は韓国より下なのだ。
OECD加盟国の平均は4万859ドルだから日本はなんと1万ドルも低かった。日本円なら100万円以上の差だ。
更にG7(先進7ヶ国首脳会議)加盟国の中でも日本は断トツの最下位。日本の平均賃金だけが際立って少ない。
来年に向け、明るい材料など何もない。今年は新型コロナウイルスの影響で、平均賃金は2019年以上に落ち込むのは確実だ。
消費低迷の脱却と景気回復には減税しかない。政府が本腰を入れて動かなければ平均賃金の低迷はさらに続くことになる。
もりもとなおき