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八千草薫『岸辺のアルバム』は奇しくも多摩川水害扱ったドラマだった

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台風19号の多摩川氾濫でドラマ『岸辺のアルバム』が浮かんだ世代は多かった

今回の台風19号による東京多摩川の氾濫のニュースを見て、オールド世代は'70年代のテレビドラマ『岸辺のアルバム』(1977年)を思い出した人もたくさんいたはずだ。

そして奇しくもそのドラマで主人公の人妻役を演じた八千草薫さん死去のニュースが昨日、流れたことに、なんとも言えない因縁を感じてしまった。

このドラマづくりのヒントは実際に1974年にあった多摩川水害が背景にあったという。当時、大雨により多摩川の堤防が決壊、東京狛江市の19棟の家屋が流出、崩壊した。

この様子の映像は当時のニュースにも流れ、マイホームを建てた人々の夢が無残にも打ち砕かれる様子に、多くの国民は言葉も無かった。

脚本家山田太一氏がこの水害ヒントに脚本書き、ドラマ化

この被災者家族が家を失ったことに加え、家族のアルバムまで失ったことがショックだったという話しを脚本家の山田太一さんが聞き、ドラマの構想に繋がったという。

そしてドラマは、それまで貞淑なイメージしかなかった人妻役の八千草薫さんが、竹脇無我演じる男と不倫するストーリーが、当時の世間に大きな衝撃を与えたのを、覚えている。


平凡な中流家庭が内部から崩壊し、最後はローンで建てた家まで失う。ハッピーエンドで終わるそれまでのホームドラマでは有り得ない、ストーリー展開にも驚かされた。(もちろん、家屋流出は実映像だが、ドラマは完全なフィクション)

最終回、ラストシーンは家屋流出の報道映像そのままの衝撃

最終回のラストシーンは、実際に家屋が多摩川に飲み込まれるニュース映像がそのまま使用されたのにも衝撃で、お茶の間はみんな言葉もなかったし、議論も呼んだ。

八千草薫さん、88才。われわれ世代はこんなお母さんがいたらと思わせる女優さんだった。心からご冥福をお祈りいたします。

もりもと なおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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