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共同通信と地方紙の関係を"本家ー若中"に例えたら抗議の暴力団も納得

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共同通信社と地元新聞の深い関係

社団法人共同通信社と徳島新聞のような地方新聞との関係については、地方紙の読者でもなかなか分かりにくい面があると思います。
共同通信社は国内だけではなく世界中が取材エリア。日本中、世界中で取材した記事と写真を、地元にしか取材網のない地方新聞に配信しています。独自の新聞は持たず、記事を売ることで経営が成り立っています。

配信は政治、経済、株、社会、国際、文化、科学など全てに及び、国際ニュースは自社の記事に加え、英国のロイター通信、米国のAP通信から、記事を買っているとうシステム。

加盟社が加盟料を払い、理事会で運営

契約しているのは47都道府県にある県紙と言われている地元紙。あと中日新聞、西日本新聞や北海道新聞などのブロック紙。全国紙では日経や毎日とも。社団法人なので加盟社で『理事会』をつくり、共同通信社の運営を図っています。
加盟料は新聞の発行部数に応じて決まります。ちなみに全ての加盟社に同じ記事が掲載されたら、その読者数は朝日や読売を凌ぐから、たいへんな影響力です。

共同通信本社玄関で

 

共同記事への加盟社の責任は?

地元紙に掲載されているのは地元ニュース以外は全て共同からの配信です。
たまに困るのは共同配信ニュースに対し、掲載した地元紙に抗議がくるケース。
私が地元紙にいる時にも度々ありましたが、一度、暴力団関係者が怒鳴り込んできた時は、対応に苦慮しました。
自分の記事なら説明もできますが、文句をつけられたのは共同からの配信記事。どう説明しても「おどれんとこの新聞に載っとるやないけ!」と、両者の関係がなかなか理解いただけなかった訳です。

先輩の暴力団組織の例えに納得した組員ら

私がてこづっていると、H先輩が「どないしたんや?」と登場。
代わって彼らに説明したのは「まあ、おたくらの世界に例えたら共同通信社は組の本家、われわれはその代紋もろとる直系の若中みたいなもんや」と、ヤクザ組織に置き換えて共同〜徳島新聞の関係を説明。

さらに「本家がやった仕事に、わしらが枝がとやかく言えんのですよ。納得いかんのやったら、本家に文句を言ってもろたらええんやけど、それではわしらも顔を焼く。ここは納めてもらえんやろか⁈」と。
「なるほど。そういうことなんや」と納得いただき、もちろん引いてくれました。

先輩には「誰でも自分の説明に納得すると思ったら大間違い。相手を見て臨機応変にな」と、諭されました。
徳島新聞ももうこんな人材がひとりもいないのは、寂しいもんです。

もりもと なおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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