就活〜内定で何故か想い出す『いちご白書をもう一度』
きのうは大手企業などの内定式だった。三密を避けるためか、オンライン内定式も多かったようだ。就職と聞くと必ず思い出すのが松任谷由実が作詞作曲した『いちご白書をもう一度』。
何故かというとこの歌詞…
僕は無精髭と髪を伸ばして/学生集会にも時々、出かけた/就職が決まって/髪を切ってきた時/もう若くないさと/君に言い訳したね

なぜ就活で長い髪を切り、彼女に言い訳したのか?
なぜ就職が決まったら長い髪を切るのか?なぜそれを君(彼女)に言い訳しなきゃならないのか?
最近の若者には理解不能だと思う。
そもそも『いちご白書』というアメリカ映画があった。
アメリカ・コロンビア大学で実際にあった学園紛争を扱ったものだ。
恐らくこの映画を大学生カップルが観たのだろう。
時、あたかもわが国でも学生運動華やかなりし時代だった。
そして数年後。この映画がまたリバイバルでやってきたことを告げるポスターが。
既に2人は社会人。別れているがかつて2人で観たこの想い出の映画を、君はまた観にいくのだろか…みたいな歌だ。

あの時代、長髪は体制に反発する象徴だったのか?
当時は男が髪を伸ばすことは、反体制の象徴みたいなところがあった(大半はカネがないから、散髪代を節約していただけだが…)
しかし就職が決まって(実際は決まる前の面接対策)この髪をバッサリ切ってしまう。
彼女は『えっ⁈』という顔をしたから、体制に流される自分が少し恥ずかしかったんだろう。だから『もう若くないんだ』と言い訳した。

ツーブロックが流行の今、この詞は書けない
この男にとったら青春の甘くはない苦い思い出。それが彼女と一緒に観た『いちご白書』のリバイバルポスターではからずも蘇った。
最近はこうした詞はユーミンでも絶対書かない。なぜなら長髪の大学生などまずいない。流行はツーブロックなのだ。
もりもとなおき