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医学界は変わったのか⁈時代が推移してもドラマ白い巨塔は続く訳

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キャストは代わってもいつも興味深いドラマだ

昔からキャストが代わって何度も映画やテレビでドラマ化されている物語でも、観る度に面白く夢中になるものがある。
その代表格が『忠臣蔵』と『白い巨塔』じゃないだろうか。

さてこの山崎豊子原作の白い巨塔が今、5夜連続でテレビ朝日系列で放映されている。
一番記憶に新しいのは唐沢寿明が主人公の財前五郎に扮したシリーズだったが、2013年だから早、16年も経つ。

上から岡田准一、唐沢寿明、田宮二郎の各財前五郎

その前は約40年前の田宮二郎だったが、これも本当にはまり役だった。個人的には一番"白い巨塔"のドロドロしたものが醸し出されていたんじゃないだろうか。
もちろん今回の岡田准一も、好演しているのは言うまでもない。

国立大学医学部の激しい権力闘争描く

今さらストーリーの紹介でもないが、『国立浪速大学』で第一外科の教授を目指す財前の、権力へのあくなき野心と、取り巻く人々の人間模様が描かれる。

医師としては財前とは真逆に生きる里見脩二(松山ケンイチ)の、友人同士の葛藤、複雑な友情も見ものだ。

モデルの浪速大学医学部は、原作者山崎豊子から明かされたことはないが、間違いなく大坂大学医学部と言われている。東大、京大と並ぶ医学部御三家。

医学部のたかが一講座の教授ポストなどと思ったら大間違いだ。
阪大クラスの医学部になると西日本全域の国公立、私立大学医学部や民間病院などに、まるで"植民地"のように絶大な影響力が及ぶ。

そしてその教授は専門分野でこれらグループのトップになることを意味するから、恐ろしいくらいに権威があり権力が集中する。

徳島大学でもあった壮絶な教授選

まだ若い時、地元徳島大学医学部のある講座の、教授ポストを巡る激しい派閥同士の争いが、連日のように新聞を賑わした。

結局、勝った教授の授業を学生らが ボイコット、教授は徳島を離れたように記憶している。
これは当時『白い巨塔・徳島版』と揶揄された。どの国立大学医学部でも大小はあれ、こうした権力闘争が繰り広げられてきたのではないだろうか。

教授回診は権力の象徴だった

ドラマでも再現されているが大学病院の教授回診は圧巻だ。めったにないが教授が病室を回診する際、研修医から看護師まで大名行列よろしく病院の廊下を歩く。

私も入院中、遭遇したが、お付きのドクター、看護師も教授の一挙手一投足にビクビクしているのを見て、身近に白い巨塔を感じたものだった。

さてさて、キャストは変わっても財前五郎は志し半ばに自身も癌に破れる。今の国立大学の医学部は財前よりも里見のような医師が主流なんだろうか。

思えばあの学園闘争に火を付けた東大全共闘ができたのは医学部の教授が異常な権力を持つ、講座制を解体するものだった。

もりもと なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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