野坂昭如さんが憧れた早稲田ラグビー
早稲田大学中退で作家の故野坂昭如さんが、生前、エッセイにこんなことを書いていた。『今度生まれ変わってきたら、あのえんじと黒のジャージを着て、彼らの仲間になりたい』と。
早稲田のラグビー部の連中が練習する姿を遠くからじっと見つめ、嫉妬と憧れが混じった思いで胸が熱くなっていたようだ。
そんな思いからか1973年、43才の時、作家や編集者を集め"アドリブクラブ"というラグビーチームまでつくり、遅いラグビーデビューとなった。
自らのラグビーチームをつくった野坂さん
100周年で懐かしいジャージーに
前置きが長くなったが、あの野坂さんが憧れた早稲田のラグビージャージーが創部100周年を迎え、懐かしい真っ白の襟付きに変わる。このほど西早稲田キャンパスで新ジャージーが披露された。
創部100年の歴史も踏まえ、“原点回帰”がコンセプトとか。ラグビーブームの1980-90年代。本城や吉野や堀越が東伏見を、秩父宮を、国立を駆け抜けた。そして87年、清宮や堀越を擁し社会人王者を下し学生王者に。
あの黄金時代を思い起こすシンプルな“アカクロ”のデザイン。最近のジャージーでは珍しく、大きな白い襟もついた。選手らも昔見た早稲田のカラーだと喜んでいる。
左がこれまでの襟なし。右が新ユニホーム
今季就任した相良南海夫(なみお)監督は、「チームスローガンは『MOVING』(動き続ける)。グラウンドの内外でチームのために動き続け、体だけでなく自らの心も動かし、人々を感動させるということ」。目標は10季ぶりの大学日本一奪回。新ジャージーでの活躍が楽しみだ。
ちなみに私も長い間、部屋着は早稲田のジャージーとニュージーランド土産のオールブラックスのジャージーでした。
もりもと なおき