病人や高齢者を癒すセラピードッグをご存知ですか?
病気の人や認知症の高齢者には、ペットとの触れ合いが癒し効果があるといわれ、回復に良い影響を与えるのは、学術的に証明されている。そしてきちんと寄り添えることができるように訓練された犬がセラピードッグだ。
このほど私の友人の宮原和代(徳島県三好市井川町)さんが足掛け3年、東京のセラピードッグを育てる訓練所、一般社団法人・国際セラピードッグ協会(大木トオル会長)へ通い続け、正式にセラピードッグ・ハンドラーの資格を取得しました。徳島県では初めてです。
反殺処分の象徴のワンコたち
この協会の資格取得の為の研修は、日本のセラピードッグ第1号『チロル』を育てた大木会長が東京銀座の協会で開講しています。
チロルは元々、愛護センターに収容され殺処分寸前だったのを、大木さんが救い出し育てあげた犬で、セラピードッグの象徴のようなワンコです。
大木さんはその後も全国各地の愛護センターを訪ね、殺処分寸前の犬を助け出し、訓練を重ねて多くのセラピードッグを育ててきました。
そしてこの犬たちは1年を通し、職員らと高齢者施設や病院を訪問。多くの人たちを癒しています。全国から引っ張りだこのようです。
大木さんと、セラピードッグたち
大木さんは宮原さんの案内で、徳島を講演で訪れた時、『自分が助け出す犬の数には限界がある。しかし人間に殺されるはずだった犬たちが、セラピードッグとなり、逆に人間の為に活動する。そのことを多くの人に知っていただき、行政による殺処分の理不尽さを知って欲しい』と、セラピードッグの意義を説明してくれた。
この大木さんとチロルのことをそれ以前に偶然知った宮原さんが、その話に感動。大木さんの門を叩いた。『東京へ足を運ぶのは予算的にもたいへんだったけど、資格取得まで頑張って良かったと』喜んでいます。
犬たちの健気な姿にも感動
私も以前、宮原さんの招きで大木さんがセラピードッグを連れて来県した時、共に高齢者施設を訪ねましたが、犬たちの一連の行動にびっくり。
徳島に来たみかちゃん(左)とだいだいちゃん。愛媛県の愛護センターから大木さんが救い出しました
楽しく遊んでいた犬たちが、大木さんの号令ひとつでビシッと。集まったお年寄りひとりひとりに寄り添い、求めに応じて頬ずりしたり、横のイスに座ったり。歩く時も気遣いながら〜という具合。
犬たちの健気な行動に、お年寄りたちの表情がみるみる笑顔に変わったことに、感動しました。
宮原さんには徳島のセラピードッグ育成のリーダーとして頑張って欲しいですね。
もりもと なおき