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反知性?の政治が早くも露骨に。菅首相、学術会議から6学者外す

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過去に前例無し!日本学術会議の新会員から6人を外す

知性の象徴である日本学術会議に激震が走った。
"学者の国会"ともいわれる日本学術会議で、政権が変わろうと不変の慣例としてずっと守られてきた人事の独立が破られた。

会議が新会員として推薦した105人のうち6人が、菅首相によって任命されなかったのだ。政府から理由の説明は一切なく、会員らからは『学問の自由を保障する憲法に反する行為』と批判が相次いでいる。

学術会議は菅首相に対して、任命しなかった理由の開示と、6人を改めて任命するよう求める要望書を出すことを決めた。対応によってはさらに問題が広がるだろう。

反知性主義の政治への不安、さらに現実に

安倍政権以降、日本の政治に不安を感じてきたのは、反知性主義に完全に陥ってしまっているのじゃないかと、言うことだ。

閣僚に東大卒が激減してきたとか、そんな低レベルの話しではない。政府中枢にいる彼らの発言や所作に、知性や教養があまりにも欠けてきたからだ。

その反知性を象徴するようなことが、新政権でもこんな形で早くも起こってしまった。それが総理自らの判断だから驚いた。

高い支持率の中、リベラル勢力への総理自らが先制攻撃か?

菅政権が発足するなり60数%〜70%台という極めて高い支持率。慣例を破っても大丈夫という慢心があったのか。
それ以上に総理の力を見せつけることでリベラル勢力に先制攻撃をかけたのかもしれない。私は後者のような気がする。

つまり任命されなかった6人は安倍政権の時の特定秘密法や共謀罪、反対の教授が含まれるからだ。

外されたひとり加藤陽子教授は左派でもなく、極めてリベラルな学者だ。小泉政権での政府の公文書管理についての有識者懇談会のメンバー。過去も現在も公文書管理について政権にアドバイスをしてきた日本の第一人者だ。
皇室にも熱心な読者を持つ、日本近代史の有力な研究者でもある。いったいこの人のどこが気に食わないのか。

『適切に対応した』じゃなく、外した理由を示すべき

記者の問いかけに菅首相は『法に基づき適切に対応した』とだけ答えた。問題になっているのは6人を外した理由だ。官房長官会見時代の記者をなめた答弁と、全く変わっていない。

菅首相に学術会議会員の実質的任命権限はない。今回の対応は違法な権限の濫用であり、『政治による科学の世界への不当な介入だ』との声は高まっている。
とにかく過去の国会で中曽根元首相も『形式的な任命』とハッキリ答弁しているからた。

せっかくの順調な滑り出しだった菅政権だが、この問題を軽く考えるべきではないと、自民党内でも批判の声が出てきた。

もりもとなおき

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morimoto_ naoki72

森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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