単位をくれないからと言って教員に殺意まで抱くんだろうか⁈
教授になんとか単位をくださいと、土下座せんばかりにお願いするヤツは昔からいた。
とりわけ卒業間際、すでに就職も決まっている。この教授の単位さえもらえれば、卒業必須単位に達する時とかだ。
しかしリポートなら何とかごまかせるが、試験がさっぱりだったり、欠席ばかりでは教授も如何ともし難いだろう。
土下座、お土産、情に訴える…単位のためなら努力しなきゃ
そんな訳で卒業直前の1、2月頃は、教授に手紙を書く。あるいは待ち伏せして土下座をする。故郷のお土産を手渡す。いかにいい企業に内定しているか説明して説得する。
まあ、この時期になると大学の風物詩みたいなもので、悲喜こもごものやり取りが身近にもあった。
だいたい情に訴え単位を貰ったヤツが多かったが、中にはもちろん、留年決定も。それはそれで自業自得、諦めていた。
せいぜいその先生の悪口を言うくらいで、まさか今回のような事件は聞いたことは無い。
『単位やらん』で殺されかかったのは初めてかも
名古屋市天白区の名城大学で理工学部の男性准教授(40)が、学生にはさみで刺された事件は、大学関係者らに衝撃を与えている。
同学部3年野原康佑容疑者(22)が殺人未遂で現行犯逮捕されたが、「数日前から、単位がもらえなければ刺そうと思っていた」と供述しているというから計画的だ。


野原容疑者は10日夜、同大の研究室で男性准教授の首や胸をはさみで複数回突き刺し、殺害しようとした疑い。
野原容疑者は、約束期限までにリポートを提出できず、准教授から『(単位を)あげられない』と言われ、頭にきたーなどと供述している。
凶器のはさみは自宅から隠して研究室に持ち込んだとみられる。
また内側から施錠して犯行に及んだようで、殺意があったようだ。
大げさでなく、学問の根幹揺るがす犯行だ
しかしあまりに身勝手な犯行だ。先に書いたように単位を巡る大学教員との切羽詰まったやり取りは全国、どこの大学でも見られる。
こんな事件があると教員によっては、学生に毅然とした対応が取れないケースも出てくるかもしれない。
名城大学の特異な事件にとどまらず、学問の在り方を脅かすものとも言えるから、大きなニュースになっているんだろう。
もりもと なおき